平成16年5月28日に公布された「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律(裁判員法)」に基づいて裁判員制度が平成21年5月までにスタートします。 「国民の司法参加」と言われているように、裁判が身近で分かりやすいものになり、 >>続きを読む
統合失調症あれこれ(6)―治療の歴史―
1792年にフィリップ・ピネル(Philippe Pinel、1745-1826)がパリ郊外のビセトール病院で、精神障害者を鎖で拘束することをやめさせたことは以前のコラムでも書きました。精神障害者が長くて暗い中世の頸木か >>続きを読む
自殺者は減らせるか?―精神科医の限界―
先日、警察庁が平成19年の自殺者数を発表しました。前年より2.9%多い3万3093人で、1978年に統計をとり始めてから、過去最悪であった2003年に次ぎ、2番目に多かったのです。 3万人を上回ったのは10年連続で、この >>続きを読む
心神喪失状態、心神耗弱状態(保安処分問題)
先週、心神喪失状態、心神耗弱状態というものについての説明と、そのように判定された場合の刑事裁判上の責任能力に関してご説明をしました。この責任能力は刑法上だけではなく民事訴訟においても問われる重要な争点です。 さて、現在の >>続きを読む
心神喪失状態、心神耗弱状態(精神鑑定)
6月8日、日曜日の昼、多くの人が行き交う秋葉原の歩行者天国で25歳の男によって無辜の市民17名が殺傷されました。 犯行前々日にわざわざ遠路福井まで赴いて殺傷能力の高い刃物を複数本購入、前日にも上京して犯行現場を下見するな >>続きを読む
後期高齢者医療制度―骨格こそが大問題―
私が今年になってからこのコラムで3回にわたって取り上げた後期高齢者医療制度が政争の具となり、現在国会は大騒動です。 民主党を初めとして野党は、4月から始まったばかりの新医療制度を撤回して元の老人保健制度を復活させるべく、 >>続きを読む
今時の「うつ」事情(4)―見直される躁うつ病―
これまで3回にわたってうつ病とその周辺の精神障害についてお話をしてきました。ここまでの話を読んで、「うつ、うつと言うけれど、じゃ一体躁はどうなってしまったんだい」という疑問をお持ちになった方がいらっしゃると思います。こう >>続きを読む
今時の「うつ」事情(3)―うつ病もどきの正体―
これまでに本当の「うつ病」のほかに「うつ病もどき」が紛れ込むことによって、世の中に「うつ」と称する人が数多く出回っている現状についてお話しました。それではうつ病と紛らわしい「うつ病もどき」とはいったいどんなものなのでしょ >>続きを読む
今時の「うつ」事情(2)―所謂うつを増やしている要因―
前回は複数の診断方法が併用されていることによって、専門医の間でも「うつ病」の診断に混乱があることをお話しました。ですから、お互いに長所と欠点はあるものの、どれかひとつの診断法に統一して話を進めるほうが混乱は少ないと考えま >>続きを読む