先日、オランダ国王の即位式への皇太子ご夫妻のご出席が発表された。ご夫婦そろっての外国への公式訪問はなんと11年ぶりとのことだ。久々の朗報だ。だが、この決定もすんなりと決まったわけではない。オランダからの御招待から決定まですったもんだと長期間を要し、オランダに多大な迷惑をかけた。
過日、奥志賀への家族スキー旅行のために東京駅への改札口を通り過ぎた雅子様に「税金泥棒! 仮病・さぼりの税金泥棒! 皇室から出ていけ!」の罵声が浴びせられた。罵声の主の60歳男性は警護に当たっていた警官に取り押さえられ、長時間にわたる事情聴取を受けたが、乱暴行為などがなかったために釈放されたようだ。これが戦前ならば「不敬罪」とし懲役を科せられていたことだろう。
不敬罪が廃止された現在でも、皇室に対するあからさまな批判は憚られる。現体制に対して反抗的な政治信条の持ち主とみられるのではないかと怖れるからだ。しかし、今回の事件に対しては、「よくぞ言ってくれた」という思いをしている庶民が少なくないのではないだろうか。私も思わず共感してしまった。
こんなことを言うと私が天皇制反対論者のように思われるかもしれないがそうではない。私は積極的な天皇制支持者である。象徴天皇制は世界に例を見ない素晴らしいシステムだと考えている。しかしながら、いやだからこそ、雅子様の皇太子妃にあるまじき生活ぶりに落胆しているのだ。
国の象徴たる存在は率先して全国民の範でなければならない。実際に、政治的な方向性はともかく、明治天皇から今上陛下に至るまで、歴代の天皇並びに皇后は皆そうされてきた。
また、天皇と国王とを一概に比較することはできないものの、国王が国民から認められているのは、一朝事ある時には全国民の先頭に立って体を張るからである。イギリスの歴代王族は皆兵役に就き、戦時には率先して戦地へ赴く。チャールズ皇太子もフォークランド紛争の時には空母インビンシブルに乗り込みフォークランドに出征している。
姫や妃は、さすがに従軍こそしないが、外交の場面においてきわめて重要な役割を果たす。我々一般人の社会でも公式の行事には夫婦一単位として初めて一人前扱いされる。ましてや国家間の外交において夫婦で参加することは必要不可欠なのだ。さらに夫と離れて単独のお姫様外交もこれまた重要な意味を持つ。
それなのに、次期皇后となられるはずの雅子生活ぶりはどうだろう。ご病気を理由にほとんどの公務を辞退する一方で、プライベートな会食やスキー旅行などはお盛んだ。
皇太子妃としての役目をまったく果たしていない。当然ながら、そのしわ寄せは御高齢の天皇・皇后両陛下と皇太子殿下である。
天皇陛下は長らく患っていいらっしゃる前立腺癌に加えて、昨年、冠動脈のバイパス手術を受けられた。皇后陛下も膝を傷められておられる。両陛下とも本来ならば、徐々に皇太子夫妻に公務の多くを代行していただく年齢になっているにもかかわらず、それもままならない状態だ。皇太子殿下はもっと憐れだ。夫妻で当たるべき公務をお一人でこなしていらっしゃる。しかし、諸外国の元首夫妻の中でお一人というのはあまりにもみっともない話だ。何よりも雅子妃の問題でご自身と両陛下との間が疎遠になってしまった。
東宮の医師団と称する、謎の集団の発表によると、問題の雅子様のご病気は「適応障害」ということになっている。「適応障害」とはストレス因子により、日常生活や社会生活、職業・学業的機能において著しい障害がおき、一般的な社会生活ができなくなるストレス障害のことをいう
症状としては、不安、抑うつ、焦燥、過敏、混乱などの情緒的な症状のほか、不眠、食欲不振、全身倦怠感、易疲労感、ストレス性胃炎、頭痛、吐き気、発熱、体のふるえ、精神運動抑制などの身体的症状が自覚症状としてあらわれる。さらに情緒面での症状としては、摂食障害、けいれんをきたしたり、突然声を荒げたり、泣き出したりすることもある。行動的には、アルコール依存、万引き、虚偽の連発、睡眠覚醒リズムの極端な異常、大量の喫煙、無賃乗車、無銭飲食などの非社会的行為に走ることもある。
診断の際に重要なことはストレス被爆から3か月以内に発症すること、ストレス因子が排除された場合、半年以内に寛解することである。半年以上症状が遷延する場合には他の固定的な精神障害に診断されなければならない。
適応障害の中でも遷延性抑うつ反応の場合には例外的に6か月を超えて診断してもよいとされているが、それでも最長2年までとされている。つまり、適応障害とはストレスによって一過性に引き起こされた過渡的な精神障害なのだ。何年にもわたって漫然とつけられべき病名ではないのだ。
雅子様の場合はどうだろう。確かに民間から皇族に嫁がれ想像を絶するストレスの連続であっただろう。しかしながら、適応障害と言われて早10年を超える。もういい加減に適応障害を卒業して、確定診断に辿り着かなければならない。
現在雅子様は一部週刊誌に報道されているように、ご公務以外のプライベートのお遊びはお盛んなようだ。私の耳には週刊誌の報道以上のご発展ぶりまで入ってきている。ご公務はできないがお遊びはお盛ん。専門医がこういった状態を見て、まず頭に浮かぶのが、所謂「新型うつ病」と称される「うつ病もどき」である。実際に診察していないので断定はできないが、おそらくは人格障害に基づく、慢性の抑うつ状態だと思う。
皇太子妃がいつまでもこんな状態だと本当に皇室の将来、ひいては現天皇制の将来が危ぶまれる。この状況を作りだした責任は、雅子様自身にあるのではない。もっとも罪深いのは宮内庁だろう。将来皇后となるべき立場の女性に、なぜこのような人格の女性を選抜したのだろうか、不思議でならない。
責めを負うべきもう一人は、「適応障害」の診断を出し続け、何ら治療成果を上げていない、東宮医師団であろう。医師団に対して「一人」という表現を使ったことに違和感を感じられた方がいるだろう。なぜそんな表現を使ったかといえば、東宮医師団とは名ばかりで、実際には「東宮のラスプーチン*」と呼ばれる精神科医、大野裕(おおのゆたか)がすべてを取り仕切っているからだ。
大野は慶応大学出身で、現在、国立精神・神経医療研究センター認知行動療法センター所長をしているが、ラスプーチンと呼ばれるだけあって、独自の人脈を駆使し、政治力を持っている。雅子様から厚い信頼を得て、誰も口をはさめないようだ。雅子様のすべての行動を彼が取り仕切っているとまで言われている。今回のオランダ行きにも当然随行するし、携帯電話で24時間連絡を取り合っているらしい。このように過度に密着した関係は精神科医療における患者・医師関係としては不適切と言わざるを得ない。
今さら、お妃選びの責任を問うても事態の解決には結びつかない。一刻も早く現状を打破するためには、思い切って主治医を交代する必要がある。不敬を承知であえて進言する。
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*グリゴリー・ラスプーチン:帝政ロシア末期の祈祷僧。催眠術を操ってアレクセイ皇太子の症状を治めて皇帝夫妻から絶大な信頼を勝ち取った。その後、皇帝ニコライ2世が第一次大戦への出征で都を離れているのをいいことに、皇后、アレクサンドラと愛人関係を結び、国政を思うが儘に操り、帝政ロシアの衰退に拍車をかけた極悪の怪僧とされている。