投稿日:2009年8月31日|カテゴリ:コラム

私が原稿を書いている時点ではまだ開票作業中ですが、すでに民主党の勝利が確定しました。単独過半数を確保して、まさに雪崩をうつような圧勝です。私の選挙区でも、小泉ごまかし政権の象徴である小池百合子が、民主党の新人、江端貴子候補によって退治されました。
我が国では本格的な政権交代は初めての出来事です。そのこと自体に大変な意義があると考えます。
これまで我々日本国民は草食系農耕民族らしく、国民をないがしろにした、いい加減な政治に振り回されていたにも関わらず、己の運命を恨むだけで主権者としての意思表示をしてきませんでした。それよいことに「民衆は老いた女である。ぶつぶつもぐもぐ言わせておくがいい」というカーライルの教えを受けた政治屋どもに好き放題されてきました。その我慢もついに限界にきました。草食系動物の切れた時の怒りが鉄槌となって彼らの頭上に振り降ろされたのです。
今回の総選挙は我が国で初めて行われた民主主義の手続きにのっとった革命と言えましょう。新政権に期待することは数多ありますが、まずは、非核三原則の「持ち込ませない」が実際には二枚舌の嘘であった疑惑に代表される、これまで行政と自民党によって隠蔽され続けてきた、国民に対する秘密を公開することです。核の問題以外にも、帝銀事件、下山事件等々国民にとって納得のいかない隠し事が数多くあります。こういったことに関する情報公開は政権が交代して初めてできることなので是非とも実現してほしいと思います。

民主党が大勝すればするほど、民主党の国民に対する責任は重くなります。古くから言われる「国は人を以て本となす。人安ければ国安し(潜夫論)」、「国政の成就は衣食に窮する人無きにあり(島津斉彬)」、「政府はただ人民の福利のためにのみ存在す(マコーレー)」といった名言を思い出して、これからの4年間、国民のための政治に徹してほしいと思います。私たち国民も、今回の政権交代が単に器だけのもので終わることのないように、注意深く監視していきましょう。

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