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   <title>クリニック西川 東京都 豊島区 大塚 精神科 心療内科 神経科 内科 神経内科 往診 うつ病 パニック障害 認知症 メンタルクリニック</title>
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   <updated>2009-07-03T02:44:18Z</updated>
   <subtitle>東京都豊島区大塚駅近くにて精神科 心療内科 神経科 内科 神経内科の診療をしているクリニックです。訪問診療も行っております。お気軽にご相談下さい。</subtitle>
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   <title>夏期休診のお知らせ</title>
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   <published>2009-07-03T02:42:39Z</published>
   <updated>2009-07-03T02:44:18Z</updated>
   
   <summary>８月１４日（金）～１９日（水）まで夏期休診となります。よろしくお願いいたします。...</summary>
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      <![CDATA[<strong>８月１４日（金）～１９日（水）まで夏期休診となります。よろしくお願いいたします。</strong>
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   <title>猿に烏帽子－死語となった「分相応」－</title>
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   <published>2009-06-28T22:39:44Z</published>
   <updated>2009-06-28T22:49:35Z</updated>
   
   <summary> 私は自他共に認める「おばあちゃん子」でした。昔から「祖母（ばば）育ちは三百安い...</summary>
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      <![CDATA[<p>
私は自他共に認める「おばあちゃん子」でした。昔から「祖母（ばば）育ちは三百安い」<span style="color: #0000ff">*1</span>と言われるように、確かに私は祖母の溺愛に甘やかされて育ったために、我儘で協調性に欠けるようです。<br />
しかし、両親に加えて祖母からの溢れんばかりの愛に恵まれて育てられたお陰で、無用な劣等感を持つことなく、自分という存在に誇りを持って生きてこられたと思っています。<br />
たくさんの人と会うことを商売としていますと、最近は何かと言えばすぐに僻んだり、他人を恨む傾向が強くなっているのではないかと感じます。他人に対しての寛容さが小さくなって、相手を攻撃する能力ばかりが高くなっているようにも感じます。<br />
こういった傾向の根底には、核家族化によって両親とは異次元の理屈を超えた祖父母の愛情を受けることなく育つようになったこともあるのではないかと考えています。他者との優劣とは関係なく、ただそこに存在するということだけで愛されるという経験をすることが健康な自我の発達にとても大切だと思います。<br />
祖父母と一緒に暮らす素晴らしさは、このような無償の愛だけではありません。言い尽くされていることではありますが、昔からの言い伝え、習わし、人生哲学を肌身を通して伝授してもらえます。私が取り立てて習い事をしないでも、一人で和服を着ることができたり、茶席に招かれても困らないのは、皆祖父母との同居生活があったからです。<br />
祖父母から教えられた物事を書きだしたらきりがありませんが、その中で常に私の行動規範になっている教えが「分相応に生きなさい」と「みっともない真似はしないように」の二つです。<br />
実はこの二つの教えは密接につながっています。分不相応な生き方はみっともないですし、格好良く生きるということは分を弁えた中で縦横無尽に活躍するということだからです。<br />
人が天から与えられた自分の個性、能力を生かして、実りある人生を送る上でとても大切なことだと思うのですが、近年この「分」という言葉は死語になってしまったようで、とんと耳にすることが少なくなりました。そして、現実に今の世の中では分を弁えずに悪戦苦闘して傷つく人、分不相応な望みのためになりふり構わず金儲けや功名に走るみっともない人が急増しているように思います。<br />
人が分不相応な欲望のために動くと本人が意味もない挫折感を味わうだけでなく、社会全体の健康な機能が損なわれてしまいます。<br />
<br />
先日、東国原宮崎県知事が自民党古賀選挙対策委員長からの衆議院議員選挙への出馬の打診を受けて、引き受ける条件の一つとして自民党総裁の椅子を要求したことが大きな波紋を引き起こしています。<br />
御当人は会談内容がリークされて非難の声の方が大きいとみるや、「地方分権を実現するための手段だ。」とか「自民党にそのくらいの意気込みがあるかを問うているのだ。」とか舌先三寸で論調を変えています。しかし、彼のこれまでの人生行路や言動の数々を振り返って見れば、自民党の混乱ぶりをみて己の上昇志向を満足させる千載一遇の好機と考えているのは明らかです。<br />
そもそも、本人は「地方分権」というワンフレーズのキャッチコピーで国民をごまかせたと思っているようですが、「政策で全国知事会の要望を受け入れる政党を支持する」と言いながら、一方で「総裁選に出してくれるならば自民党から出馬する」ということは、まったく支離滅裂で理にかなっていません。<br />
この男、お笑いタレントとしての知名度を頼みに宮崎産の物産を売り歩くセールスマンとしての腕前はそこそこ評価せざるを得ません。しかし、腰と膝を十五度ほど折り曲げて、揉み手しながら鼻眼鏡で歩く媚態は、やり手の押し売り商人以上の者ではありません。腰を折れば折るほど全身から成り上がり者、権力欲、傲慢な差別意識の異臭が漂ってきます。<br />
彼の虚構の人気は御多分にもれずマスコミの力です。お笑いタレントで知事という美味しいキャラクターをテレビが放っておくわけがありません。普通の知事ならば絶対に取り上げられないような日常行動まで面白おかしくカメラが追いました。この結果、彼の知名度は鰻登りになり、本人も自分に本当に力があるかのように錯覚してしまったようです。つまり、マスコミが煽てあげて馬面の豚が木に登ってしまったということなのでしょう。<br />
<br />
かたや東国原になめられた形の麻生さんは、棺桶に片足突っ込んでるにもかかわらず、都内を精力的に自民党公認都議選候補応援のために走り回っています。<br />
そして、行く先々で馬鹿の一つ覚えのように、べらんめえ口調の演説を披露しています。その度に相も変わらずお馬鹿ぶりを発揮しているようです。先日も「必勝を期して」と言うべきところを「惜敗を期して」と振ってから「頑張ろう」コールをしてしまいました。しかも同席の議員から指摘されてもしばらく気付かなかったのこと。さらに情けないことにはこれほど致命的な言い間違いをしても、この手の失言は日常茶飯事となってしまったのでニュース性が無くなって、もはやマスコミにそれほど大々的に取り上げられなくなってしまいました。<br />
この麻生「与太郎」さんの盟友と言われている安倍元総理の手書きの原稿が週刊誌にすっぱ抜かれて、胃弱な元総理大臣の頭の中身も明らかになりました。その原稿には「実績」が「実積」、「軍艦」が「軍盤」、「批判」が「批反」と書かれているのです。<br />
総理大臣に漢検二級の国語力や当意即妙の話芸を要求する必要はありません。しかし、建国230年そこそこの移民国家ならばいざ知らず、少なくとも2000年を超える歴史と文化、そして何よりも1億2千万人の国民を代表する総理大臣には、少なくとも平均以上の教養と人格が求められて然るべきではないでしょうか。<br />
カレンダーのように、交替する度に薄っぺらになっていく総理大臣。この流れの行き着く先が少女買春したチンケな破廉恥漢の立候補であることは当然の帰結なのかもしれません<br />
<br />
マスコミが世論を支配するようになって、マスコミに露出する者が優秀であるかのような錯覚が蔓延しています。本人の実力とはかけ離れた嘘名がまかり通り、やがて嘘から出た真になってしまうのです。いまやマスコミが時代をいかようにも作り変えられると言っても過言ではないのでしょうか。<br />
こういった悪しき流れをうまく利用したのが小泉でした。そしてマスコミによる嘘名を利用したビジネスもあらゆる分野で繁昌しています。たいして美味しくもない店でも金を払ってテレビに取り上げられれば、翌日から行列ができる「評判のレストラン」になります。医療の世界でもマスコミが「名医」を販売している話はすでに過去のコラムでご紹介しました。<br />
このような悪弊の根源は、情報を受け取る側の我々が、その情報を正しく消化しきる能力を持っていない。つまり、本当に自分の目で物を見、自分の舌で味わい、自分の頭でものを考える力がないということに因ります。小泉以来の衆愚政治は私たちの能力の低さの証明なのです。しかし、そういった実態を知っていながら利益追求の目的でいたずらに世論を誘導するマスコミは絶対に猛省すべきです。<br />
<br />
私は、戦後の日本人の間で死語となってしまった「分相応」という言葉を復活させることが急務であると考えています。もし分を弁えることが大切にされるならば、麻生さんも漫画以外の読書に励んだでしょう。安倍さんもスローガンとしてだけでなく、中身のある「美しい国、日本」を描けたのではないでしょうか。東国原に至っては、自分が総理大臣のいすに座っている姿が「猿に烏帽子（えぼし）」<span style="color: #0000ff">*2</span>以外の何物でもないことに気付くはずです。<br />
------------------------------------------------------------------------<br />
<span style="font-size: small; color: #0000ff">*1</span><span style="font-size: small">：祖母育ちは三百安い：祖母に育てられた子供は、甘やかされて育ったために、他の子供と比べるとしっかりしたところがなく、劣って見えるということ。三百とは三百文という貨幣単位。「祖母育ちは銭が安い」とも言う。<br />
</span><span style="font-size: small; color: #0000ff">*2</span><span style="font-size: small">：柄にもないこと、ふさわしくないことをするたとえ。また、外観だけ装って実質がそれにともなわないことのたとえ。猿に人間のかぶる烏帽子（えぼし）をかぶせるの意から。烏帽子とは昔、元服した男子の用いた冠物。</span>
</p>
]]>
      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
【当クリニック運営サイト内の掲載記事に関する著作権等、あらゆる法的権利を有効に保有しております。】</strong></span>
]]>
   </content>
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   <title>鬼子母神に問う―臓器移植法改正―</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.147</id>
   
   <published>2009-06-21T15:11:00Z</published>
   <updated>2009-06-21T15:17:19Z</updated>
   
   <summary>「畏れいりやの鬼子母神」という遊び言葉で知られる台東区入谷、真源寺の鬼子母神堂は...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[「畏れいりやの鬼子母神」という遊び言葉で知られる台東区入谷、真源寺の鬼子母神堂は夜叉の女神の一尊であるハーリティーを祀っています。子供と安産の守り神とされている鬼子母神は、東京では入谷の真源寺のほか雑司が谷の法明寺鬼子母神堂も有名です。<br />
安産を願う妊婦さんや子供の健やかな成長を祈る若い御夫婦のお参りが後を絶ちません。仏教発祥の地インドでもハーリティーは子授け、安産、子育ての神とし
て手厚く祀られているそうです。我が子の無事な成長を願う親の気持ちは世の東西を超えて変わりがないことがよく分かります。<br />
<br />
さて先日、臓器移植法改正案が衆議院を通過しました。この後、参議院で可決されれば、平成11年以来10年ぶりの改正となります。今回衆議院を通過した案
の大きな改正点は、年齢を問わず、脳死を一律に人の死と定義すること。また、本人の書面による意思表示を義務とせずに家族の同意のみで臓器提供ができるよ
うになるということです。<br />
我が国の現行臓器移植法は先進諸外国に比べて脳死判定による臓器提供に関する制約が厳しいので、施行当初から国内における移植が増えないことが予想されていました。<br />
このため、法律施行後の国内移植医療の成果を検証して、3年後を目途に見直すことになっていました。案の定、国内での臓器移植件数は遅遅として伸びず、多くの患者さんが移植手術を受けるために海外、とくにアメリカに渡航する状況が続いていました。<br />
アメリカにおいても湯水のように提供臓器があるわけではありません。アメリカにおいても多くの人が臓器提供を待っているのが現状です。優先すべきは自国民
ですから、金にあかせて臓器を買い漁る日本人は歓迎されません。そこでアメリカでも外国人には5％以内という臓器配分の枠をはめました。それでも、他国に
比べて金持ちですから、5％枠のほとんどを日本人が占めてしまっています。<br />
豊かな国における移植医療の範囲が拡大の一途であるために、移植のための臓器は慢性的に不足しています。需要に応えるために正規のルートから入手できる臓器だけではなく、違法な方法で入手した臓器が闇のルートで売買されています。<br />
非正規なルートから入手した提供臓器の中には、一族郎党の生存の代償として、第三世界の貧困者、中でも子供たちの身体から生きながらに抜かれた臓器も少な
くないのです。当然ながら、金持ちである日本人がこういった闇のルートによる臓器売買の上得意であることは言うまでもありません。日本人の需要が増えたた
めに臓器の闇値もどんどんつり上がっています。日本人の移植ツアーが世界の臓器不正売買ビジネスに一役買っているのです。<br />
スポーツ選手などが、移植治療を希望する子供のために募金を呼びかけるということが美談として報道されることがあります。確かに、発起人たちの募金の動機
は、いたいけない幼児の命を救おうという、目の前にある不幸を見過ごせない純粋な博愛の心にほかならないのだと信じています。しかし、尊い一人の命が救わ
れる背景に、同じ一人の人間の無念の死があるかもしれません。移植医療に纏わる影の部分にも目を向けなければなりません。<br />
ＷＨＯもこの事態を看過することができず、海外渡航移植の原則禁止と臓器の自国内提供を定めるガイドラインを本年5月に策定することにしました（実際には
予期しなかった新型インフルエンザの流行によって来年に延期）。このために、法の改正は焦眉の急であったのです。それにも関わらず、人の死に関わる哲学的
な判断をも要求されるデリケートな法律であることと、もともと議員立法で成立した法という理由で行政が改正議論から距離を置いたために10年も店晒しにさ
れてきました。<br />
臓器移植以外に我が子の延命が図れない両親にとっては首を長くして待ち望んでいた法改正です。本来ならベッドから動けないような病状の我が子を遠い外国に
行かせなくても済むようになります。また、5％の狭き門をクリアーするために必要な何十億円という補償金や、渡航費用も必要でなくなります。朗報と言えま
す。<br />
原則自国内での臓器提供となれば、日本人の子供を延命するために貧困国の子供たちが生きながらに臓器を抜かれて売買される地獄絵図も改善されるでしょう。<br />
しかし、移植を望むすべての患者さんの需要を満たすだけの臓器が今の日本で入手できるとは到底考えられません。さらに、いったん商売として成立した臓器不正売買がそうたやすく根絶されるとも思いません。<br />
今まではアメリカや中国に送られていた臓器が、巧妙な手段で日本国内に持ち込まれる危険性があります。また、そうでなくても児童虐待が後を絶たない昨今、虐待を隠ぺいする目的や金を得るために、子供の臓器を売る親が出てくることはほぼ間違いないと思います。<br />
脳死を死と考えるか否かという重要課題ももっと時間をかけて検討するべきですが、自然の摂理に反して、他人の臓器を頂いてでも己や我が子の命を長らえさせ
たいという、生きることへの欲求はいったいどこまで許されるのかという疑問にはこれまで表立った議論がなされてきませんでした。<br />
なぜならば、人の命は地球より重いという美しい大義名分を前にした時、生半可な勇気では異を唱えることができないからです。しかしながら、この課題につい
ては絶対にきれいごとでお茶を濁してはいけません。全国民が本音で議論しなければなりません。少なくとも参議院では、票勘定抜きに、実りある議論がなされ
ることを切望します。<br />
<br />
ハーリティーは仏に帰依する以前は己の子供を愛するあまり、他人の子供を喰らっていた鬼でした。釈迦の導きで、他人の不幸の上に自分の幸福がないことを
悟って慈愛の神、鬼子母神となりました。彼女が果たしてどのような思いで今回の法改正を見つめているか、大変興味深いところです。
]]>
      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
【当クリニック運営サイト内の掲載記事に関する著作権等、あらゆる法的権利を有効に保有しております。】</strong></span>
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   </content>
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   <title>あるがまま</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.146</id>
   
   <published>2009-06-15T01:00:45Z</published>
   <updated>2009-06-15T01:02:53Z</updated>
   
   <summary>心の健康は単一の原因で損なわれることは多くありません。大半の場合、幾つかの要因が...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[心の健康は単一の原因で損なわれることは多くありません。大半の場合、幾つかの要因が重なって病気になります。それらの要因は内因（素因）と外因に大別されます。内因とはその人の病気になりやすさであり、外因とは外から加わるストレッサーを意味します。その外因にも様々なものがありますが、とくに多いのが環境因と心因です。<br />
劣悪な環境や嫌な出来事によって精神が不健康になるということは容易に想像が付きます。しかし、かなりショックな出来事であっても、それが一時的なことであったり、簡単に解決がつくことである場合には、なんとか心の健康を保てるようです。<br />
例えば、搭乗予定の飛行機が欠航するということは大変ショッキングな出来事ですが、代替えの便がすぐに手配できれば、アンラッキーな思い出の一つになるだけです。このことが原因で精神障害になるということはめったにありません。<br />
また、歩いていて酔っ払いに絡まれたとしても、さっさと逃げてしまえばそれまでです。しつこかった場合でも、法的な問題は残りますが、ぶん殴って退治してしまえば心の健康には問題ありません。<br />
心の健康を損なう外因とは、一つ一つはそうたいしたことでなくても、慢性的に続くこと、あるいはなかなか解決策が見いだせない物事なのです。<br />
例えば、自分に対してとても不愉快な言動をしてくる相手がいた時に、先ほど述べたようにぶん殴ってやっつけてしまうか、一目散に逃げ出して二度と会わなければ精神障害には発展しません。<br />
ところが、人間は単独で行動する動物ではなく、社会を構成して、その社会の中でお互いに連携しながら生きていく動物です。そしてその社会は加速度的に複雑になってきています。ですから、暴力で解決することは禁じられていますし、不本意ながら虫酸が走るような相手とも接触することを余儀なくされます。<br />
また、社会人になると自分の得意でないこともやらなければなりません。例えば、本来緊張しやすくて人前で話すのが苦手なのに、大勢の前でプレゼンテーションしなければならないなんてことはよくあることです。　社会が複雑で大きくなるに従って心の不健康を訴える人が多くなるのは至極当然と言えます。<br />
法律や社会規範といった制限があまりなかった未開な時代には、暴力沙汰で身体的な傷害が絶えなかったかもしれませんが、精神障害はほとんどなかったと考えます。言い換えれば、現代人が生きていくためには、不本意な状況をうまく処理する技が要求されるのです。<br />
<br />
私が精神療法の基盤としているのは、我が母校の初代精神神経科教授であった、故森田正馬先生が1920年頃に発案した森田療法です。森田療法は心の葛藤によって不健康になる神経質症の治療法です。森田は同時代を海の向こうで生きたフロイトの精神分析と対極的な考え方によって神経症にアプローチしました。<br />
極東の島国の精神科医が考案した理論ですから、精神分析とは違って、長い間世界に知られることはありませんでした。日本においても精神療法の主流を歩んできたわけではありません。<br />
それでも、その後弟子たちが地道に治療の実践と啓蒙活動を続けた結果、世界的な東洋文化の流行もあって、1960年頃から世界の注目を集めるようになりました。<br />
ところが、森田療法は治療の実践の場で組み立てられたものであり、系統だった理論として発表されたものではありません。また、森田の理論は本人がどれほど意識したかどうかは分かりませんが、「禅」に通ずるところがあるので西洋人の注目を引く反面、用語やその解釈が難解で、正しく理解するためには、かなりの知的能力を要求されます。このため、誤解されている部分が少なくありません。<br />
<br />
森田理論の重要なキーワードの一つに「あるがまま」というものがあります。この「あるがまま」とは種々の刺激に対して、必然的に起こる私たちの心理的、身体的な反応をあるがままに認めて、それを受け入れること。その反応を否定したり、ごまかそうとしないことを言っています。<br />
例えば、大勢の人の前で話をしようとすれば緊張してあがってしまいます。いくら集中して勉強しようとしても、長時間にわたって一心不乱の状態で好きでもない勉強のことだけを考え続けることはできません。必ず雑念が浮かんでくるものです。常に爽やかに健康でいたいという願いは万人共通ですが、生き物であるある限り、時には頭が重かったり、肩が凝ったり、だるかったりします。<br />
こういったことは、ヒトという社会的な生き物が避けて通れない、生理的な心身の反応なのです。自分にとっては不都合で楽しくない現象かもしれませんが、こういった心身の現象が起こることが現実であるということを、そのまま素直に受け入れることが森田の言う「あるがまま」ということです。<br />
森田は「あるがまま」に自己の直面する現実を受け入れた上で、目的に沿った行動をとりなさいと言っています。すなわち、「あがってしどろもどろになったとしても、しどろもどろのままでいいから伝えるべき内容を話しなさい」、「雑念で効率が悪くなったとしても、それなりに目の前の勉学に取り組みなさい」、「たまに身体がすっきりしていなくてもその日やるべきことをやりなさい」と。<br />
そうではなく、こういった心身の現象があると都合が悪いし、そんなことはあってはいけない、あるべきでないとして、人間として当然あるべき現象を「あるがまま」に受け入れようとせず、否定あるいは排除しようとすると、さらにその現象に悩まされることになってしまいます。<br />
人間が行動をする時に大切なのはうまく、すんなりと、一片の不安もなく、快適に行うことではなく、本来の目的を達成することなのです。たとえ不細工であろうが、辛かろうが、不安や迷いをもっていたとしても、目的を見失わないで生きることが当たり前の生き方である。そのことを忘れないことが肝要であると説いているのです。<br />
ところが人は往々にして目的と手段を取り違えてしまいます。<br />
有意義で充実した人生を送るためには健康であることが望まれます。出発点はここなのですが、人によってはいつしか健康でいることが目的にすり替わってしまって、他人の役に立つことは何もせず、ひたすら自分が長生きすることを人生の目的とする人がいます。頭が重いと言っては家族を叩き起こし、37℃発熱したと言っては救急車を呼ぶ人がいます。<br />
こういう生き方は、他人に迷惑をかけるだけでなく、本人も常に不安でびくびくするだけです。これを「ただ馬齢を重ねる」と言うのでしょう。<br />
さて、この「あるがまま」もよく誤解されることばです。自分という自然の創造物は理想通りに作られていない。自分に不都合な事実も、生きているという現実の一部であるということを受け入れて、やるべき物事から逃げずに立ち向かいなさいという意味の「あるがまま」を、自分の思い通りにいかなかったり、不愉快だからそういう状況から逃れたり、横道にそれてしまう悪い行動パターンをあるがままに受け入れて良いと誤解する方が少なくありません。<br />
例えば「人前で話すと上ずってしまうのでそういう場を避けてきた自分をあるがままに受け入れて、今後とも、たとえ業務と言えどもプレゼンテーションは断っていいのだ」とか、「体調不良を心配するのは当たり前だから、そういう心配症の自分をあるがままに認めれば、欠勤することはやむを得ないのだ」という解釈です。<br />
<br />
森田理論の真髄である、この「あるがまま」は正しく理解したとしても、言うは易し行うは難しです。神経症の患者さんに限らず、私も含めて人間は自分に不都合なことは認めたくないものです。理想と現実がずれていることに気付いてもなかなか「あるがまま」にその現実を受け入れられません。<br />
ですから、森田理論は何も神経症の治療だけのものではないのです。人がよりよく生きていくための指針を示していると言えます。<br />
生活の中で何かに躓いたり、納得のいかない状況に陥った時には、一歩引いて「あるがまま」に俯瞰してみましょう。そうすれば、いたずらに不安に苛まれたり、自分を責めたり、他人を恨んだりすることが少なくなるはずです。
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      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
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   </content>
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   <title>もの忘れの功罪</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.145</id>
   
   <published>2009-06-07T16:26:14Z</published>
   <updated>2009-06-08T05:53:11Z</updated>
   
   <summary> 徐々に進行してきたのでしょうが、最近自分の記憶力が確実に悪くなっていることを自...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[<p>
徐々に進行してきたのでしょうが、最近自分の記憶力が確実に悪くなっていることを自覚します。新しいカタカナ用語や略語（CDS<span style="color: #0000ff">*1</span>とかPPIP<span style="color: #0000ff">*2</span>とか）をなかなか覚えられません。自分の専門でない経済用語なんか覚えられなくても当たり前と自分を慰めてはみるのですが、専門分野の医学用語でさえも例外ではないのですから言い訳はできません。<br />
「ARB<span style="color: #0000ff">*3</span>」
と言われて「なるほど。アンギオテンシン受容体阻害薬だからアンギオテンシンンのA、receptorのR、blockerのBなんだ。」といったんは覚
えたつもりになるのですが、しばらく経つと「アンギオテンシンのA、receptorのR、inhibitorのIだからARIかな？」という調子です。
自信をもって覚えたと言えるには数週間を要してしまいます。<br />
専門の精神医学の領域でさえ言葉を覚えるのに苦労します。例えば、今や講演のタイトルにまで使われる「アドヒアランス」も覚えるのに一苦労しました。患者
さんが主体的に治療を続けていくという意味だったということは思い出せるし、たしか「ア」から始まったなというところまでは出てくるのですが、その後が出
てこないのです。ただ、研究会などで皆さんが口を揃えて「今までの患者さんに治療者の方針を順守させるコンプライアンスではなく、これからはアドヒアラン
スです」などと使うのに、メモを取らなかったためにすぐには覚えられませんでした。聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥。とある研究会に参加した直後、勇気
をもってその研究会で顔を見かけた知り合いの医師に尋ねました。「今まで使われていたコンプライアンスに代わって流行りだした概念で、アで始まるやつって
なんでしたっけ？」。<br />
それから何度も復唱して頭に叩き込みました。言わんとする内容はとりたてて声高に連呼するほどのことではないのですが、すっと言葉が出てこないと、若手の
精神科医や製薬会社のMRさんたちに馬鹿にされそうですし、患者さんからの信頼をなくしてしまうので必死にならざるを得ません。<br />
こんな調子ですから、雨後の筍のように登場するタレントやお笑い芸人の名前なんか、まったく覚える間もなく当人たちが消えていってしまいます。それでも伊
東美咲の名前はデビューするや否やしっかりと覚えましたから、自分の情動や本能を強く刺激する対象についての記銘力は衰えていないようです。<br />
ということは物を覚え込むという記銘機能の潜在能力そのものは保たれているわけですから、美咲ちゃん以外の人物名、医学用語、政治経済用語をすんなりと覚
えられない原因は記銘力そのものにあるのではなく、美咲ちゃん以外のことを覚えることを脳がサボタージュしているに違いありません。<br />
他の脳機能と同様に、記憶も他の諸機能と相互に深く連携しています。ですから、できるだけ多くの機能が関連した記憶ほど覚えやすく忘れにくいのです。中でも本能や情動と結びついた事象は強く深く記憶されます。<br />
こう考えると加齢とともに記憶力が悪くなるというのは単純に記憶機能そのものが低下しているのではなく、本能や情動の感受性が低下していることも関係して
いるのではないでしょうか。言葉を変えれば、年を取るとだんだん興味や関心が狭く、弱くなるために、いくら覚えなさいと命令されても記銘機能がさぼってし
まうのでしょう。<br />
専門の学術用語に関して言えば、本当に画期的で目から鱗のような発見ならば、今の私でも一回聞いただけで覚えると思います。否が応でも忘れられないと思い
ます。アドヒアランスを覚えるのに苦労したのは、内容を聴いて、「臨床に携わっていれば言わずもがなの当たり前のことを、ことさら奇を衒って横文字の名前
を持ち出しているだけじゃないか。ばかばかしい。」という思いが心の底にあったために、無意識のうちに記銘することを拒否していたのかもしれません。<br />
人間は加齢とともに経験が増えます。そうすると何か新しい出来事に遭遇しても、「ああこれは以前に経験したあの例とほとんど同じことだ」と言うように、過
去に体験し記憶している出来事に当てはめて類型化して対応しがちです。このやり方は効率が良くて失敗が少ないのですが、好奇心を惹起しませんから目の前の
ことを新たに記憶しようというモチベーションが上がりません。結果として新しいことを覚えなくなります。<br />
ですから、記銘力の低下を防止したいならば過去の記憶に頼って無難に生きるではなく、当たり前と思うことにも疑いを持ち、今まで関心を持たなかったことに
も目を向けて、ドキドキハラハラしながら好奇心旺盛に、ちょっとあぶなっかしい生活をするほうがいいのかもしれません。<br />
<br />
今までの話は物を覚え込む記銘という機能の話でした。ところが、記憶という機能は記銘だけではなく、覚え込んだ記憶を整理して貯蔵し、必要な時に収納してある棚から取り出して使えなければなりません。<br />
アルツハイマー病のように重篤に脳が障害されてしまうと記憶を収納している倉庫もやられてしまうので、完璧に記憶が消し飛んでしまいます。コンピュータの
ハードディスク自体が破損してしまうようなことです。しかし、普通に年をとっていくだけではこういう事態にはなりませんから、あまり過剰に物忘れを心配す
ることはありません。<br />
ところが、いざ必要となって記憶の倉庫から取り出してこようと思ってもなかなかそれを見つけることができないという状態はどんな人でも年をとってくると避
けることができません。これは記憶の再生障害と言って、倉庫にしまってあることは確実であるにも関わらず、どの棚に分類してあるかが即断できなかったり、
その棚を開けるための鍵を見失ってしまう状態で、若い時にも起きますが加齢とともに確実に増加します。<br />
再生障害と言うと難しそうですが、平たく言えば「ど忘れ」です。喉のあたりまで思い出しているのに言葉になって出てこないというやつです。記憶自体が失わ
れているわけではありませんから、元いた部屋に戻ってみるなど、状況を変えたり、他の作業をやるとかしているうちに、ふっと思い出すのが常です。<br />
銀婚式を過ぎた夫婦を見ていると、「おい、あれだけどさ。なんとかうまくいったよ。」、「あらそう。良かったね。私の方もあの人にちゃんと言っておいたか
ら。」なんて、「あれ」だとか「あの」だとか、代名詞ばかりの会話をしていることが少なくありません。この現象は二人揃って、若い時に比べて記憶の再生機
能が低下しているから起こるのです。しかし、言葉として表現しなくても意思伝達ができるのですから、コミュニケーションが効率化されたと考えられなくもあ
りません。しゃべらずとも通じ合えるのならばそれはそれで日常生活には困りません。<br />
ただ、このテレパシーのような意思伝達は、何十年に亘って生活を共にして同じ体験を共有し合ってきた二人だからこそできる技です。この調子で二人だけの社
会での効率よく無難な生活だけを続けていますと、再生機能が本当に錆び付いてしまいます。そうなってしまうと、いざ家庭外の社会であかの他人とコミュニ
ケーションをとろうとしてもできなくなってしまいます。<br />
ですから、お互いの記憶力保持のためには、いくら以心伝心の仲良し夫婦と言えども、いやそうだったらなおさら、代名詞だけで済ませられるような定常的で退
屈な生活だけでなく、若い日を思い出してハラハラドキドキするような、未知の状況や体験に二人してチャレンジすることをお勧めします。新しい状況ではお互
いに一生懸命言葉を使わなければならないからです。そういう努力をすると、いつの間にかどこかに置き忘れた大切な鍵が出てきて二人の仲が一層輝くものにな
ると思います。その鍵とは「愛してる」という言葉がしまわれている棚の鍵です。<br />
<br />
さて、先ほどから記銘力の低下だとか再生機能の低下だとか、加齢に伴う記憶機能の変化を、一般的説明に倣って、マイナス方向の表現だけで説明してきました
が、別の見方をすることもできます。それは記銘や再生機能の低下は年とともに記憶量が増えるために、二次的に情報を新たに取り入れたり、倉庫から取り出し
てくるのに手間がかかるようになっているために起こるという考えです。<br />
お釈迦様や聖徳太子以外の並みの人間は、現実に処理することができる情報量には限界があります。コンピュータに例えれば一時記憶装置が有限であるというこ
とに相当します。ですから新たな情報を記憶しようとすると、今までこの領域に貯蔵されていた情報の一部を永久記憶装置（ハードディスク）の方に移して空き
を作らなければなりません。けれども、一時記憶装置にある情報は瞬時に活用できますが、いったんハードディスクに貯蔵してしまった情報は取り出す際に手間
がかかります。こう考えると、年とともに覚えにくくなったり、ど忘れが多くなることを説明することができます。<br />
実際に我々の脳がこれまでに味わった体験をすべて生々しい感情を伴った近時的な記憶として蓄積し続けたならば、私たちはパニックを起こして、まともに生き
ていけないでしょう。なぜならば、「命長ければ恥多し」とはよく言ったもので、人生を長くやっていきますと誰も人に言えないような、また口に出したくない
ような嫌な出来事や恥ずかしい体験を数多くするものです。その一つ一つを何時までも新鮮に覚えていたら苦しくて生きていけないからです。私なぞはとっくに
何回も自殺していたでしょう。<br />
こういった事態を避ける自己防衛の目的で、脳は積極的に忘れる、「忘却」という機能を備えているのです。もちろんこの忘却機能が働いても、そういう事実が
あったことまでを消し去るわけではありません。マイナスの感情などをできる限り削ぎ落して、単なる事実という形にして永久記憶倉庫の片隅に密封するので
す。<br />
ちなみに政治屋になるための資質の一つは、この忘却機能が優れていることだと思います。彼らの記憶装置では、都合が悪く密閉された秘密の棚の鍵は完全封印されるか、棚自体が消去されるようです。<br />
閑話休題、何も嫌な事項だけを奥まった倉庫に移すだけでは現代の雪崩のように流入してくる情報を処理できません。したがって普段使わない事項はさっさと奥
の倉庫へと圧縮されて保存されます。空きを作らないと新しい情報を取り込めないことはすでに説明しました。確かに、新しいことを覚える能力の優れた人は、
さほど重要でない事項についていつまでも生々しい記憶を持っていません。<br />
<br />
五島勉さんという人を覚えていらっしゃいますか。「ノストラダムスの大予言」という本で大儲けをした人です。ノストラダムスの予言通りならば、今の地球は私がのんびりコラムなんか書いている状態ではありません。<br />
先日再審査請求が認められて、１７年ぶりに無期懲役刑での収監から解放された小菅さんのことが話題になっていますが、一部の関係者を除いて、あの事件をしっかりと記憶していた方は少ないのではないでしょうか。<br />
選挙の際のマニフェストの幾つが実行されて幾つが反故にされたか分かっている方はどのくらいいらっしゃるでしょうか。<br />
このように、個人だけではなく社会としての記憶にも忘却という機能が働いているのです。もし社会記憶に忘却機能がなければ五島勉さん、細木数子さんをはじ
め、占い師と称する人種は、予言が当たらなかった責任を問われて、とっくに惨殺されています。政治屋もそうです。国民がしっかりとマニフェストを覚えてい
るという前提ならば、あれほど舌先三寸の公約などできる筈がありません。<br />
みな、国民が物忘れであるということを前提に行動しているから成り立っているのです。この物忘れも、現実社会で次々と勃発する新しい事態に対応するために
致しかたないことなのかもしれません。そして情報量が加速度的に増加する現在、社会の記憶の忘却のスピードも驚くほど速まっています。しかし、社会の記憶
はあまりに早く永久倉庫に封印されてしまっては困ります。時々倉庫から引っ張り出して生々しい感情を呼び戻す必要があるのではないでしょうか。そうしなけ
れば私たち社会はいつまでたっても過去の経験に学ぶことがありません。<br />
戦争、政治、重大事件などの重要事項は是非とも、取るに足らない新しい情報を犠牲にして、生々しい一時記憶の場に止めておいてほしいものです。<br />
私の身近な問題としては新型インフルエンザがあります。一時は過剰反応していたのに、今やほとんど話題にも上りません。しかし、本当に皆が注意を払わなければいけないのは実はこれからなのです。<br />
世界中に広まって、最早常在ウイルスに近い存在になり下がった豚由来インフルエンザですが、気をつけなければいけないのは、今のところ猫を被っている彼等がいつ虎に変身するかもしれないからです。<br />
ウイルスは増殖を繰り返すごとに変身していきます。弱毒と言われているこのインフルエンザがある日突然強毒化する可能性は十分にあるのです。ですからこそ、私は以前のコラムで「早いうちにかかってしまえ」と提唱したのです。<br />
<br />
物忘れは良い側面と悪い側面があります。新しい情報を取り入れたり、心や社会の安全を保つためには物忘れをしなければなりません。しかし、一朝事ある時には即座に記憶が蘇らなければ正しい状況判断ができません。<br />
とても難しいことなのですが、個人も社会も上手に物忘れしなければいけません。
</p>
----------------------------------------------------------------<br />
<span style="color: #0000ff">*1</span>:CDS：credit default swap（企業倒産担保証券）の略。<br />
<span style="color: #0000ff">*2</span>:PPIP：public-private investment program（官民投資プログラム）の略。<br />
<span style="color: #0000ff">*3</span>:ARB：腎臓に存在するアンギオテンシンという血圧を上昇させる生理活性物質を抑制することによって血圧を下げる薬物の総称。
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      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
【当クリニック運営サイト内の掲載記事に関する著作権等、あらゆる法的権利を有効に保有しております。】</strong></span>
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   <title>自然への畏敬－あなたも自然の一部ですー</title>
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   <published>2009-05-31T15:50:08Z</published>
   <updated>2009-05-31T15:53:41Z</updated>
   
   <summary>砂漠に聳え立つ地上800ｍの摩天楼。海には世界地図を模した人工島。灼熱の砂地に人...</summary>
   <author>
      <name></name>
      
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         <category term="9722009年6月" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[<span style="color: #333333">砂漠に聳え立つ地上800ｍの摩天楼。海には世界地図を模した人工島。灼熱の砂地に人工スキー場やゴルフ場。世界金融危機勃発以前のドバイは世界中から資本と労働力が集まりお伽噺の実現かと思われていました。<br />
広告塔としてセレブと称される人々がドバイでのバカンスの素晴らしさを謳い、日本でもそれに乗せられ、見栄、小金その上暇を持て余しているお馬鹿さんたちがこぞってドバイを目指しました。<br />
私はもともとそんな所へ行くほど金も暇もありませんが、もしあったとしても、行ってみたいなどとさらさら思いませんでした。ドバイの気違いじみた光景を見るたびに旧約聖書、「創世記」に登場するバベルの塔を連想し、吐き気すら覚えたほどです。<br />
ドバイは中東の中では原油産出量が極めて少ない国です。したがって、石油に依存しない経済システムを模索した結果、巨大な人工都市を作り上げて観光での立国を目指しました。<br />
石油に過度に依存した経済からの脱却を努力すること自体は理解できないことはないのですが、結果としてアメリカを中心とした金の亡者たちのマネーゲームの場になってしまいました。できあがるであろう建造物を担保にさらなる投資。金が金を生む巨大ネズミ講のからくりで膨れ上がる虚構の富。ドバイは正に歪んだ新資本主義経済の象徴と言えます。<br />
ですからリーマンショックに端を発した金融破壊でドバイの建設ラッシュにも急ブレーキがかかりました。無責任な資本家が蜘蛛の子を散らすようにドバイから逃げ去ったのです。<br />
経済誌を読むと金融危機も底から抜け出して、ドバイに再び資本が戻ってきているとのことですが、長い目で見た場合にあの砂上の楼閣が長く栄華を誇れるはずがありません。<br />
先ほどバベルの塔を引き合いに出しましたが、私はユダヤ教徒でもキリスト教とでもありません。したがって神の怒りの雷によってドバイが滅ばされるなどとは思っていません。このような人間の企てが成功しないのは、自分自身がその一部分であることを忘れて、自然に挑戦し、自然をねじ伏せようとしても無理だからです。<br />
現代の一部文明国の住民は自分たちが、脳が異常に発達しただけの猿であることを忘れて、思い上がった振る舞いをしています。自分たちも地球や宇宙という大きな自然のシステムの中の砂粒よりも小さな一部分であるにも関わらず、自我だけが肥大してしまいました。その結果目先の快楽や利益を追求するために自然を破壊し続けています。自然を破壊するということが自分自身を破壊することであるということに気付いていません。<br />
<br />
私のクリニックは近くにある警備業に関係した人材派遣会社の健康診断を請け負っています。警備業務に携わるためには種々薬物の依存者でないことと、重大な精神障害者でないことを証明しなければならないからです。<br />
この会社でアルバイトをする若者を毎日何人も面接します。会社の方ですでに一定の選別をしていますから、問題のある方はまずいらっしゃいません。しかし、この面接を通して、現在の都市生活者がいかに不健康な生活をしているか、また、自分が不健康な生活をしていることを自覚していないかを知って愕然とします。<br />
「これまで睡眠障害で困ったことはありませんか？」と尋ねると90％以上の人が「ありません」と自信深げに答えます。続いて「それではだいたい何時くらいにベッドに入りますか？」と尋ねると、これまた自信満々に「2時くらいです」と返ってきます。<br />
睡眠というものは眠っている時間だけではなく、眠る時間帯も重要です。本来は10時くらいには就寝したほうが良いのですが、地方で農業や漁業に従事している方と違って都市で生活している人は10時に寝るという生活はなかなか困難だと思います。しかし医学的に考えると100歩譲っても0時までに床に就かなければなりません。つまり今日中に寝るということが大切です。<br />
脳はきわめていい加減な臓器ですからいくらでも夜更かしできるかのように錯覚しますが、ホルモンをはじめその他の身体のシステムは0時以降眠る生活には対応していません。ですから遅寝遅起きを続けていると様々な精神障害やメタボリックシンドロームと呼ばれる現代病に陥る危険性大です。<br />
我々がエネルギーを大量に消費して深夜遅くまで動き回る異常な生活をするようになったのはたかだかここ数十年ですが、生また時からこのような生活を続けてきた若者にとってはこのクレイジーなライフスタイルが当たり前の生活なのです。<br />
なお、今ここに書いたことは昨年のコラムでも説明しました。<br />
私はこういった若者に、人間がなぜ昼間活動して、夜になったらさっさと寝なければいけないかを解説します。その際、ヒトが昼行性動物であることから説明を始めるのですが、まず「あなたは夜目がききますか？」と尋ねることにしています。<br />
たいていはその段階で私の言わんとするところを気付くのですが、中にはここでも力強く「僕は夜でもよく見えます。」と答える人がいます。その何の疑問も持たないあっけらかんとした顔を見ていると慄然とするものがあります。街灯やネオンで照らし出された夜景に慣れっこになっていて、夜が暗いということも知らないのです。<br />
この数十年で不夜城のごとき異様なライフスタイルが定着したと言いましたが、こういう生活をしているのは文明国の都市生活者だけです。今現在でも地球規模で考えれば太陽の光を中心に自然に逆らわない生活をしている地域が殆どです。一部の人間だけが富とエネルギーを収奪して自然を作り変えて不健康な生活をしています。<br />
かく言う私も東京生まれの東京育ちであり、生まれてこのかた偉そうに講釈を垂れるほど健康な生活をしてきたわけではありません。私自身、いったん文明を手に入れた者が急に原始の生活に戻れと言われたって、そう簡単にできないことを痛感しています。<br />
ですから、今すぐ電気を使わないで農業をしろと言っているのではありません。まずは現在の自分たちが当たり前と思っているライフスタイルが実は正常ではないことを自覚してほしいのです。時々で良いから自分が洋服を着た猿であることを思い出してください。<br />
<br />
自然に合わせて、自然に逆らわないような生き方を忘れた人は自然はいくらでも自分の都合に合わせて改造することができると錯覚しています。だから一番身近な自然現象である「生死」に対しても大いなる錯覚を抱いています。<br />
すなわち、病気は治るもの、健康でいて当たり前、死ぬのは不当と言った考えです。<br />
実際には我々は数限りない危険に囲まれて生きていますから、いつ死んでも不思議ではないのです。自然界の中で我々が生を受け、何十年も生きながらえているということは本来相当に幸運なことなのです。生きている有難さを理解していない人が増えている証拠が理不尽な医療訴訟や行き過ぎた移植医療ではないでしょうか。<br />
確かに、医療行為の中に歴然とした過誤がある場合には訴えられて然るべきですが、本来ならばとっくに死んでいるような疾患に対して医師が懸命の医療を行った場合にも、その結果が不幸に終わったら訴えられます。また運よく助かっても、何らかの後遺症を残すと、「医療が充分ではなかったのではないか」と邪推して訴えます。<br />
移植医療もそうです。角膜や二つある腎臓などは理解できますが、肝臓だ心臓だとエスカレート。その内に脳の移植もブラックジョークではすまされなくなる時代が来そうです。<br />
自然界の原理に従えば、種としてのヒトを健康に保存するためには、生きる能力の弱い個体が淘汰されていかなければなりません。個々にとっては悲しいかもしれませんが、それが自然界の厳粛な掟です。にも関わらず、裕福な個体が貧困地域の健康な個体から臓器を収奪して、本来淘汰されるべき個体を延命しようとしています。こういう個人のエゴによる自然への挑戦が種としてのヒトの将来に良い結果をもたらすとは思えません。<br />
<br />
さて、それほど脅威でもなかった新型インフルエンザに国を挙げて蜂の巣を突いたように大騒ぎ。マスクとタミフルが引っ張り凧でしたが、タミフルはついちょっと前までは異常行動の副作用が出ると言われてさんざん叩かれていた薬です。<br />
学会が因果関係は証明できないとの見解を示したにも関わらず、何千万人に数人という特殊な例を取り上げて袋叩きにしました。あの時、タミフルの危険性をしたり顔で力説していた人が、その舌の根も乾かないうちにタミフルを求めて奔走しているのですから何をか言わんやです。<br />
ですから、今回のインフルエンザ騒ぎは、人間が自然の中では弱い生き物であり、我々はたかだか0.1ミクロン程度の、生物とも呼べない粒子の前にいとも簡単に生存を脅かされるということを再認識するという意味で、とてもよい機会であったように思います。<br />
<br />
私たちは今日一日生きていられることの好運に感謝して、自然の一部としての分をわきまえて、謙虚に生きていかなければいけないと思います。世界中の人、とくに先進国の人々が、自然を畏敬し、自然をねじ伏せようとすることの愚かに気づけば、環境問題も大きく進展するのではないでしょうか。<br />
そうしなければ、大脳だけが異常に肥大した、自然界の奇形種である人類に明るい将来はなさそうです。<br />
</span>
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      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>饅頭怖い</title>
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   <published>2009-05-24T16:30:54Z</published>
   <updated>2009-05-24T16:33:56Z</updated>
   
   <summary>お馬鹿な奴らが人の怖がる姿を盗み見して楽しもうと企んだ。ところがその悪企みを見透...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[お馬鹿な奴らが人の怖がる姿を盗み見して楽しもうと企んだ。ところがその悪企みを見透かしたずる賢い男がいた。何が怖いと聞かれて、本当は大好物であるのにわざと「饅頭が怖い」と答える。<br />
お馬鹿さんたちはしてやったりと小躍りして、饅頭を買い集めて山と積み上げた。それから男をその饅頭の山のある部屋に閉じ込める。男が恐怖にのたうち回る姿を見ようと部屋を覗くと、男は「怖い」、「おお怖い」、「こんな怖いものは食べてしまえ」、「旨すぎて怖い」などと言いながら饅頭を片っ端から食べてしまう。<br />
一杯喰わされたことに気付いた連中が怒って男に「本当にお前の怖いものは何だ」と尋ねると、返ってきた答えは「このへんで濃いお茶が一杯怖い」。<br />
落語、「饅頭怖い」の一席です。<br />
<br />
先日、民主党の新代表に鳩山由紀夫氏が就任しました。党首の椅子を争った岡田氏は幹事長に、政治資金問題で味噌をつけた小沢一郎前代表は選挙担当の代表代行に残留して、なんとか挙党一致体制をつくりあげました。<br />
代表選前、自民党や公明党の関係者は口を揃えて「岡田が党首になったら脅威だ」とあざとく怯えて見せました。一方ではマスコミを通じて鳩山は小沢の傀儡だというネガティブキャンペーンを展開して、岡田党首が実現するように世論を誘導しました。<br />
国民はいつも通り、まんまとこの戦術に嵌って「岡田」の大合唱。ここで今までの民主党であれば、浮足立って岡田饅頭を買い込んだところですが、今回はお馬鹿で無責任な世論とやらに右顧左眄しないで慎重に実を取ったように思います。<br />
さらに「盗人の番には盗人を使え」とばかりに小沢を執行部に、しかも自民党が最も恐れる選挙の総責任者に留めました。今回の行動は民主党がかなり成熟してきたことの現れではないでしょうか。<br />
政治の世界は嘘吐き村。本当に怖いものを怖いなんて言うわけがありません。私はこの次、自民党がいったい何を怖がるのか楽しみでしょうがありません。<br />
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      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>悪党の品格</title>
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   <published>2009-05-17T15:41:06Z</published>
   <updated>2009-05-17T15:44:26Z</updated>
   
   <summary>映画「GOEMON」が封切られて石川五右衛門が注目されています。石川五右衛門とは...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[映画「GOEMON」が封切られて石川五右衛門が注目されています。石川五右衛門とは安土桃山時代に都を中心に出没した伝説の大泥棒です。歌舞伎や浄瑠璃の演目に取り上げられたために、次第に義賊としてのイメージが強調されていき庶民からヒーローとして人気を獲得しました。<br />
今に伝わる石川五右衛門の姿は大きく脚色されて、実態とはかなりかけ離れていると思いますが、彼が狙った相手が当時の権力者ばかりであったことは事実のようです。また、捕えられた一族郎党が生きたまま釜茹での刑という残酷非道な方法で処刑されたことも相まって、日頃から権力者の横暴に不満を抱く庶民の心を掴んだものと思われます。<br />
江戸時代の侠客、国定忠治は博打を生業とする博徒で、何件もの人殺しの他、違法行為の限りをつくした挙句、捕えられて磔で処刑されます。五右衛門と同じく無法者なのですが、忠治も弱い者を襲ったりはせず、天保の大飢饉で飢餓に苦しんでいた上州の民を救ったとして、講談、新国劇や映画で庶民のヒーローとして取り上げられ、今でも人気が衰えません。<br />
悪事を働く者なのに庶民から軽蔑されたり嫌われることがなく、それどころ国民的なヒーローとして扱われる五右衛門と忠治に共通するものは何なのでしょう。それは第一に弱い者いじめをしない反権力であること。第二にアナーキーなアウトローとして首尾一貫していること。三番目は颯爽と潔いこと。この３つではないでしょうか。<br />
<br />
先日、さいたま地方検察庁の現職検察官が朝の通勤通学電車の車内で、痴漢容疑により逮捕されたという報道がありました。少し前に防衛医大の教授の痴漢容疑裁判で、教授が冤罪被害者であったことが確定する最高裁の決定があったばかりなので、またもや冤罪事件発生かと思いきや、本人があっさりと罪を認めたとあります。さらに地検検事という職業柄、この男はこれまでに痴漢容疑者の取り調べを何件も担当したことがあるというのです。朝の通勤電車内の行為ですから素面の行状と思われます。ブラックユーモアが効いた筒井康隆の小説の世界ならば笑って済ませられますが、それが現実のものとなると腹立たしいやら悲しいやら、複雑な心境にさせられました。<br />
そういえば現職の裁判官が部下の女性に対してストーカー行為を繰り返して起訴された事件も記憶に新しい出来事でした。<br />
いくら「下半身に人格なし」とは言うものの、法曹によるこの手の犯罪を耳にすると、やはり開いた口が塞がりません。呆れる最大の理由は法の番人たる立場の人間が止むを得ない事情なくして法を犯す行為をしたということです。<br />
しかし、呆れる理由はこの「盗人に蔵の番」ということだけではありません。犯罪自身があまりにもいじましくて情けないということもあります。一言でいえばみっともなくてカッコ悪すぎるのです。<br />
下半身と言えば、鴻池祥肇前副官房長官が、首相官邸で新型インフルエンザ緊急対策会議をしている最中に、愛人の人妻と熱海に二泊の不倫旅行していたことが発覚して、官房副長官辞任に追い込まれました。<br />
相手も家庭争議覚悟で関西から熱海まで飛んできた、合意の上の大人の愛であり、犯罪ではありません。嫌がる女子高生の尻を触ったり、立場上弱い部下をメールで追いかけまわす行為などと比べては失礼な話です。別人格である下半身の堂々たる活躍ぶりを示す武勇伝と言えるかもしれません。スクープされた写真には、熱海の街を肩寄せ合って歩いたり、豪快なティーショット場面など悪びれない二人の姿が写っています。<br />
道徳規範からの善悪をさておけば、草食系とか何とか言われて、男子の頼りなさばかりが目立つ昨今、これはこれで日本男児の面目躍如かと思いました。なにせ彼は自称、山中鹿之助の子孫であり、大伯父に関西の大侠客と言われた鴻池忠治郎を持つ男です。格好良い、男っぷりの勇み足かと思いきや、この期待は見事に裏切られました。<br />
なんと不倫旅行の東京―熱海間の新幹線を、国会議員の無料パスで往復していたのです。そういえばこの男、東京での愛人との密会場所に議員宿舎を使っていた前科もありました。私たちの税金に支えられた下半身だったのです。侠の人どころか、何のことはない、吝嗇で無粋な腑抜け野郎だったのです。<br />
痴漢検事、ストーカー判事、好色議員たちの犯した悪事は、それ自体は軽微なものかもしれません。犯罪とは言えないものもあります。しかし、彼等は普段は絶対的な権力をもって国民に偉そうなことを言っている連中です。それが弱い女学生相手に卑劣な行為をしたり、権力を笠にきて交際を迫ったり、血税を使って肉欲にふけったのです。結果として、弱い者いじめであり、弱い者の生き血を食い物にしているに他ならないのです。<br />
また、偽善の仮面で人を欺き、陰でこそこそと悪いことをしています。二重人格、二枚舌です。<br />
ストーカー判事は起訴されてから罷免までの間の給与や賞与の返還の要求に応じる気配がありません。鴻池さんも副官房長官こそは辞任しましたが、議員辞職するわけでもなく、病気を装って病院に雲隠れしてしまいました。潔さが全く見受けられず見苦しい対応です。<br />
国民的ヒーローとなった大悪党、五右衛門や忠治とまったく正反対です。悪事の中に少しもかっこよさが見られません。<br />
<br />
人間は法や倫理道徳に照らして、一生清く正しく生きることなんかできません。実際に今まで私は、悪いことを１回もしたことない人なんて見たことがありません。<br />
これからだって、私たちは何らかの事情で悪党の仲間入りをしなければならないかもしれません。もしそうなった時には、悪事を働くとしてもせめて颯爽と粋で品格のある悪党でありたいものです。<br />
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      <![CDATA[<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>新型インフルエンザ対策―逆転の発想―</title>
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   <published>2009-05-10T18:06:46Z</published>
   <updated>2009-05-11T09:42:17Z</updated>
   
   <summary> メキシコでの流行が発表されてから２週間ほどで新型インフルエンザの感染者は世界で...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[<p>
メキシコでの流行が発表されてから２週間ほどで新型インフルエンザの感染者は世界で29カ国・地域、4,353名に達しました。わが国でも5月9日にカナダから帰国した高校生2名と付き添いの教諭1名が新型インフルエンザに感染していたことが判明しました。ついに新型ウイルスが日本国に上陸したのです。<br />
また、彼らと同じ飛行機に乗っていた乗客の中に感染の疑いが濃厚な人もおり、今後は水際作戦に加えて国内での感染拡大への対策にも本腰を入れなければならなくなりました。<br />
この間、厚労省、検疫所、国立感染症センター、地方自治体などの関係者の方々の努力にはもっと評価するべきでしょう。一般の人が能天気に遊び呆けていたゴールデンウィークの期間、こういった関係者は不眠不休で防疫に努めてきました。と言うか、一般の人が大挙して海外に遊びに行ったお陰で、彼らの業務は数倍増しました。<br />
日頃、厚労省の悪口ばかり書いていますが、今回ばかりは心から感謝して「御苦労さま」と申し上げなければなりません。彼らの活躍のお陰でWHOがフェーズ4を宣言してから10日以上の時間を稼ぐことができたからです。<br />
前回説明したようにウイルスは生物とも非生物とも言えない不死身の粒子です。したがって、永久にこのウイルスの国内侵入を阻止し続けることは不可能です。だからこそ、時間稼ぎがとても重要になってきます。ウイルス対策は戦争と非常によく似ているので、勝利するためには敵を知り、備えを固め、敵の弱点を攻めることが肝心と言えます。実際に本格的に国内での感染が始まる前に敵の状態を詳しく知り、それに応じた防御態勢を築いておけるか否かによって、その後の感染被害の大きさが格段に違ってきます。<br />
実際、今回稼げた10日余の時間の間に新型インフルエンザウイルスについていろいろなことが分かってきました。判明した事実には吉報も凶報もあります。<br />
好ましくない事実の一つ目は、このウイルスの感染力が高いということです。つまりヒト－ヒト感染能力を十分に確立してしまっており、通常のインフルエンザと同じように飛沫によって周囲数メートルの人々に感染するのです。<br />
二つ目の残念な情報はこのインフルエンザが分類上はAソ連型ウイルスと同じ、H1N1ウイルスであるにも関わらず、遺伝子配列が相当に違っているために、Aソ連型ウイルスに対する免疫が無効だということです。つまり、去年Aソ連型インフルエンザにかかったり、ワクチンを接種していたとしても、このウイルスの防御には役に立たないのです。<br />
一方、喜ばしい情報も3つ入ってきました。一つは、このインフルエンザウイルスが今のところ弱毒性だということです。すなわち、世界中がここ数年、人での流行に戦々恐々としてきた鳥インフルエンザウイルス（H5N1）と違って、全身の細胞を侵すことは無く、季節性のインフルエンザと同様に呼吸器系の細胞にしか侵入しないのです。<br />
二つ目は鳥インフルエンザウイルスのように若い人に過剰な免疫反応（サイトカインストーム<span style="color: #0000ff">*</span>）を引き起こす遺伝子を有していないということです。したがって、若年層を中心に累々と死者の山を築く恐れがありません。<br />
最後の吉報は、予想したとおりタミフルとリレンザが有効であるということです。ですから、感染してから発症後48時間までの間にこれらの抗ウイルス薬を適用すれば軽症で治ります。<br />
要するに、今回のインフルエンザウイルスは新型なので感染を防御することは困難ですが、毒性については新型とは言っても従来の季節性インフルエンザと対して変わらないし、治療も可能だということです。<br />
<br />
こういった情報は今後の国内対策に何らかの影響を与えるのでしょうか。私は大きく方針変更すべきだと思います。なぜならば、従来政府が策定していた新型インフルエンザ対策は強毒性のH5N1型インフルエンザがヒト―ヒト感染性を獲得して人間世界に流行した場合を想定したものでした。ところが、今現実に流行の兆しが見られるインフルエンザはこのタイプではなく、弱毒性のH1N1型であったのですから、対応策も変更するのが当然と言えます。敵が違えば戦略、戦術も変えなければなりません。<br />
まずはあまり過剰に反応しないことです。まだ水際での検疫で一人の感染者も出ていないこの1週間に、海外旅行もしていない発熱患者が医療機関での診察を断られるケースが何件も起こりました。本当に医学を学んだのか疑わしくなるような医師の過剰反応には、同じ医師として慙愧に堪えません。国内にウイルスが入った現在、このような過剰反応がさらに増えることが予想されます。医師会などを通じて各医療機関が足並みを揃えて、沈着冷静な行動を取ることが肝要です。<br />
厚労省は新型インフルエンザに対するワクチン製造を急ぎ、また2次感染者が出ないように、感染者と接触した可能性のある人たちの追跡に力を注ぐと思います。こういった地道な努力はとても大切だとは思いますが、人数に限りがある保健関係者は今でさえ過労を強いられています。世界の感染地域が拡大して感染者が次々と入国してきた時に、この作業をどれだけ続けることができるでしょうか。<br />
そこで、国内での感染者が増えて、2次感染も出現した場合には、戦略を大きく転換してみてはどうでしょう。いつまでも水際作戦だ2次感染対策だと言っていないで、いっそみんなで感染してしまうなんていう作戦はどんなものでしょうか。<br />
繰り返して述べますが、このウイルスは今のところ弱毒です。ただし、いつまでも大人しくしている保証はありません。ヒト―ヒト感染を繰り返しているうちに変異して強毒型に変わる可能性があります。完全遂行が不可能な感染防止を続けているうちに時間が経って強毒化してしまってはかえって厄介です。敵は今のところ威勢はよいが兵力の弱い部隊だと分かったのですから、塹壕に立て籠って防御ばかりしていないで、強力支援部隊が現れる前にこちらから撃って出るのも妙手ではないでしょうか。<br />
弱毒だけでなく抗ウイルス薬も有効なのですから、免疫不全の病気の人や重篤な心肺疾患のある人を除いて、健康な国民はさっさと感染してしまうのです。丈夫な人は2,3日苦しむだけで済みますし、重症になりそうな人は抗ウイルス薬で直ちに治療すればよいのです。<br />
感染すれば数日の間にこのインフルエンザに対する免疫を獲得します。そうすれば、このインフルエンザはもはや新型でも何でもなく、ごくありふれたインフルエンザに格落ちしてしまいます。ワクチン完成を何ヶ月も首を長くして待つ必要もありませんし、経済的にも大助かりです。しかも、こうして国民の大多数がこのウイルスに対する免疫を持っておけば、その後ウイルスが強毒型に変異しても、もう心配することはありません。<br />
とは言っても、やはり不幸にして亡くなる方もでますので、医師の立場でこの提案をあまり大声で言うと、顰蹙をかうこと間違いなしです。ましてや、来るべき選挙で頭が一杯の舛添さんや麻生さんが賛成するはずもありません。<br />
本当は最も効率よく、しかも被害者を最小限に食い止められる対応策だと思うのですが、恐らく日の目を見ることは無いでしょう。
</p>
<p>
----------------------------------------------------------------------<br />
<span style="color: #0000ff">*</span>サイトカインストーム：サイトカインは細胞間の情報伝達のために分泌されるタンパク質である。免疫や炎症に関連するものが多い。通常ウイルスなどが侵入すると免疫系の防御反応の一つとして産生されるが、それが過剰になると気道閉塞や多臓器不全を引き起こし、かえって生体を死に至らしめる。このサイトカインの過剰産生状態をサイトカインストームと言う。スペイン風邪や鳥インフルエンザによって若くて健康な人ほど死に至った例が多かったことの原因と考えられている。
</p>
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   <title>敵を知ろう－そもそもウイルスとは？－</title>
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   <published>2009-05-02T16:21:06Z</published>
   <updated>2009-05-02T16:32:04Z</updated>
   
   <summary>先週のコラムでメキシコ発の豚インフルエンザについてお話しましたが、その後、正式に...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[先週のコラムでメキシコ発の豚インフルエンザについてお話しましたが、その後、正式に「新型インフルエンザ」と昇格したこのウイルスによる感染は急速に広まって、5月2日午前0時段階で14カ国3,181人、疑い症例まで含めると3,500人を超えました。これまではメキシコ1国に止まっていた死者も、ついにアメリカでも出てしまいました。<br />
この報告とアメリカ国内で2次感染者が増加したことを受けて、WHOはパンデミック段階をフェーズ4からフェーズ5に引き上げました。つまりこの新型インフルエンザによる世界的大流行が目前であると認めたのです。<br />
今やメディアは新型インフルエンザに関する報道一色となり、時々刻々と最新の情報が入手できます。海外の感染状況、国内の防疫体制、国民各人の対処法などについて第一線の専門家が詳細に説明していて、今更専門家でもない私が出る幕はありません。<br />
しかし、医療界にとって何十年かに一度の出来事ですから、この時期に新型インフルエンザの話題には触れず、麻生さんの悪口を書いているようでは、医療人のコラムとしてはあまりにKYとの誹りを受けそうです。そこで、今回はインフルエンザウイルスとはどのようなものなのかという基礎的なお話をすることにしました。<br />
<br />
インフルエンザウイルスについて説明するにはそもそもウイルスとは何ぞやという点について解説しなければなりません。<br />
ウイルスとは驚くほど単純な構造をした生物です。いや、生物とは認めずに有機物質からできた単なる微小な構造体じゃないかという考えが主流になりつつあるくらいです。まがりなりにも生き物の端くれに名を連ねているのは、自分と同じ遺伝情報を持った子孫を増やす、自己増殖能力を持っているからです。<br />
その基本構造は、自分の遺伝情報である核酸を外界から守るタンパク質でできている膜で被っている。ただそれだけです。細胞小器官はおろか細胞質そのものが存在しませんから、細胞の体をなしていません。つまり、自己の生命維持や自己増殖に必要なエネルギーを産生するメカニズムを持ち合わせていないのです。唯一己を生物であると主張する証の核酸でさえ、動物や植物や細菌のようにDNAとRNAの2種類は揃っていません。DNAかRNAかのどちらか一つしか持っていないのです。<br />
自己増殖の仕方も他の生物とは大きく異なっています。細菌も含めて他の生物は皆、核酸の分裂によって増殖します。つまり1回の分裂で2倍に増えます。倍、倍と繰り返すことによって増殖する対数増殖です。ところがウイルスは分裂ではなく爆発的な一段階増殖なのです。あっという間に膨大な数に増えて細胞から飛び出します。<br />
また、増殖の直前に宿主の細胞内に分解されます。ですから一時的にウイルスの姿が見えなくなる暗黒期という時期があります。細胞に入ると姿を消して、その後膨大な数の姿を現した時にはその細胞を破壊して飛び出すのです。不気味な奴です。<br />
そして、こういった活動に必要なエネルギーや物質はすべて自分が寄生した宿主（動物、植物、細菌などの細胞）のものを借用します。他の生物は皆、生命活動を維持し、自己増殖するためには体外からエネルギーを取り込んで、それを使って生産活動をしなければなりません。そういった地道な作業はすべて寄生した細胞任せです。徹底して無駄をなくした寄生体なのです。<br />
言い換えれば、単独では生命維持も増殖もできない「ひも」みたいな情けない奴なのですが、お世話になったという感謝の念はさらさら持ち合わせていません。まあ、核酸とタンパク質だけでできた粒子に感謝しろと言っても無理な話というものです。<br />
こうして寄生先の細胞を利用するだけ利用してたっぷりと子孫を増やすと、お世話になった細胞を破壊して外に飛び出し、次の宿主となる細胞にとりつきます。こうやって爆発的に自分を増やすのです。<br />
このままだと私たちの細胞は全滅してしまいそうですが、私たち高等生物もちゃんと対策をもっています。ウイルスの侵入と同時に免疫機構が活動を開始していろいろな種類の白血球やマクロファージといった細胞がウイルスを食べて殺します。また、一度侵入されたウイルスに対してはその遺伝情報を記録しておいて、次に侵入される時には細胞に入り込めないような防御態勢を構築します。<br />
今回のインフルエンザが大騒ぎになっているのは、今までに私たちが一度も見たことのない顔をしたウイルスだからです。このために従来の警備体制を潜り抜けて容易に細胞内に侵入されてしまいます。もちろん被害届が出たならば直ちに白血球その他が出動しますが、初動捜査が遅れる分、被害が出てしまうのです。<br />
ウイルスが何らかの生命体に寄生しなければ生きていけない寄生体だと述べましたが、寄生していない時には「生きている」も「死んでいる」もない、単なる物質です。物質としてのウイルスは宇宙空間に多数漂っていると思います。そのウイルスが地球に飛来して宿主たる生命体と出会った時、ウイルスは再び生物として振る舞うのです。<br />
実際に、ウイルスは結晶化することができます。そして長期間経った後、結晶を細胞に戻すと自己増殖を始めることが確かめられています。<br />
現在地球上に存在するウイルスは皆宇宙から降ってきた可能性が高いのです。しかし、こういった連中が全て敵対的だという訳ではありません。今や私たちの細胞が生きていくために必須の細胞内小器官であるミトコンドリアは、元々は外から侵入したウイルスだと考えられていいます。というよりは植物の細胞が葉緑素を取り込んだことによって初めて光合成という代謝ができるようになったのと同様、私たちはミトコンドリアというウイルスを取り込んだからこそ酸素呼吸を出来るようになったのです。ミトコンドリアは好気生物の細胞と20億年以上も共存共栄してきました。今や私たち自身になってしまっています。<br />
<br />
インフルエンザウイルスはDNAだけを持ったミトコンドリアと違ってRNAだけを持ったウイルスで、今のところ人類に対してミトコンドリアほど友好的態度を示していません。しかしエボラ出血熱ウイルスほどの凶暴性も見せません。<br />
このウイルスのややこしいところは、今回の騒動のように遺伝情報が変異しやすいことです。性質や顔形をくるくると変えてしまうのです。このために、これまでは豚にしか感染しなかったウイルスが急に人間に感染するようになったり、感染してもおとなしくしていたはずだったのが、急に暴れだしたりするのです。また、美容整形マニアのように顔も変えますので、私たちの身体の警察である免疫機構も後手に回ってしまうのです。<br />
これからも変異を続けますから、鳥インフルエンザ並みに凶暴化する可能性もありますが、逆に早晩、借りてきた猫のようにおとなしくなる可能性もあります。今しばらくは敵のお手並み拝見と行くしかなさそうです。<br />
<br />
さて、今回の騒ぎに対する私の対応はと言うと、運よくゴールデンウィークの臨時休診をとっていますので、クリニックでは当面大騒ぎにはなりませんでした。また、敢えてウイルスを挑発するような海外旅行はしないので、食料とマスクを備蓄して我が家で状況分析をします。ただ、日本国内での感染が急拡大し、致死率が高まるような事態になると、東京都、豊島区からの要請により医師会単位で現場に出動しなくてはならなくなるかもしれません。<br />
そのような事態になった場合には、言うまでもなく、自分のクリニックではインフルエンザを疑う患者さんは一切診療できません。院内に入ることさえお断りということになります。<br />
これは私が冷血漢だからではありません。万が一その方が新型インフルエンザであった場合、私のクリニックの待合室が感染拡大の場になってしまうからです。ですから、今後国内での感染が広がった際には、風邪の症状の方はくれぐれも私たち医療機関を受診しないでください。各地区の発熱センターへ電話でお問い合わせください。よろしくお願いします。<br />
ちなみに東京都発熱相談センターは03-5320-4509、豊島区発熱相談センターは03-3987-4179です。<br />
<br />
いたずらに慌てず、しかし、やるべき事前対策は抜かりなく行い、沈着冷静に対応してください。生き物とも呼べない、ひも野郎みたいな情けない奴をのさばらせないよう、皆で協力して頑張りましょう。
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   <title>寝耳に水の豚インフルエンザ流行</title>
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   <published>2009-04-26T15:42:01Z</published>
   <updated>2009-04-26T15:44:03Z</updated>
   
   <summary>灯台下暗しと言いますが、遠い敵にばかり気を取られているとついつい身近な危険を忘れ...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[灯台下暗しと言いますが、遠い敵にばかり気を取られているとついつい身近な危険を忘れがちになって、不意に意外な者に足元を掬われることになります。<br />
さて、４月２５日午後、WHOが緊急会議を開きました。メキシコとアメリカで急速に感染者、死者を増している、鳥類にではなく私たちと同じ哺乳類である豚に感染するインフルエンザ、所謂「豚インフルエンザ」についての対策を協議するための会議です。このように感染症の専門家が大慌てしている間にもメキシコでは、22日には20名であったインフルエンザによる死者数が25日には81名に膨れ上がりました。<br />
WHOを中心に世界各国はここ数年、東南アジアを中心に広まっている鳥インフルエンザ由来の新型インフルエンザがパンデミック（大流行）することを警戒して、さまざまな対応策を検討し、準備してきました。詳細については以前のコラムでお話しました。<br />
我が国においてもベトナムで発生したヒトーヒト感染例から入手したH5N1株のウィルスに対するワクチンを製造して備蓄を始めています。また、現在のところ有効と考えられている抗ウィルス薬のタミフルとリレンザの国家備蓄も進めています。そして、パンデミックの発信地となることが予想されていたインドネシアにおける感染情報に聞き耳を立てていました。<br />
ところが豈図らんや、なんとこれまで予想もしていなかった中米を発信地として鳥ではなく、豚由来の新型インフルエンザのパンデミックが現実性を帯びてきたのです。関係者にとってはまさに寝耳に水の凶報です。<br />
これまでは鳥由来の新型インフルエンザ対策ばかりに力を注いできていて、豚由来のインフルエンザ対策は全くなされてきませんでした。千慮の一失です。これからメキシコで入手するウィルスを元にワクチン製造に精を出したとしても、製造には少なくとも半年はかかりますし、日本国民全員分のワクチンを完成させるには1年半はかかる見通しです。<br />
またこの半年というワクチン製造期間は、従来型のインフルエンザワクチンを中止して全製造ラインを新型インフルエンザに充てた場合のスケジュールです。新型インフルエンザと並行して従来のAソ連、A香港、B型インフルエンザも流行するわけですから、そちらの方に対する防衛はできなくなります。<br />
さらに悪いことには、遺伝学的に見て、哺乳類である豚が鳥と比べてはるかにヒトに近いことは言うまでもありません。だから、臓器移植の際に豚の臓器が用いられることがあるのです。姿、形は似ていないように思うかもしれませんが、生物として考えた場合にはかなり近しい関係にあるのです。したがって、豚に対して感染性、病原性を持っているウィルスが鳥の間で流行しているウィルスよりもヒト―ヒト感染性や病原性を獲得しやすいことは容易に想像できると思います。<br />
鳥由来のインフルエンザに比較してより早期にパンデミック段階への進化を遂げる可能性が高いのです。つまり、現在フェーズ３で止まっている新型インフルエンザに対する警戒レベルが数日を待たないでフェーズ４、フェーズ５に上昇する恐れがあります。国際レベルでの迅速な対応が求められます。<br />
しかし、悲観的な話ばかりではありません。メキシコとアメリカで確認された豚インフルエンザはH1N1型だということです。この抗原型は従来からヒトの社会に広く出回っているAソ連型インフルエンザと同じです。となると、ヒトはこのタイプにかなり慣れているので、ヒトに対して、それほど強い病原性を発揮しない可能性があります。事実、アメリカでの感染者の多くは軽症の経過を辿っています。逆に言えば、メキシコではなぜ高い致死率を示すのかという疑問が生じます。<br />
豚インフルエンザがH1N1型ウィルスであるということはまた、H5N1型である鳥由来のウィルスに対するよりも私たちの身体の免疫機構の反応性がよく、容易に抗体を獲得する可能性もあります。ですからパニックに陥らずに今後の情報を待って冷静に対処する必要があります。<br />
今度はあまりに豚インフルエンザにばかり力点を置いて、従来の季節性のインフルエンザ対策を怠ってしまうと、こちらの方で犠牲者が累々という恐れもあります。<br />
最悪の事態としては、豚由来の新型インフルエンザと相呼応して鳥由来ウィルスまでもが一斉蜂起することです。こうなると現在の防疫能力ではお手上げの状態になってしまいます。<br />
政府はWHOと連携をとって新型インフルエンザの感染拡大スピードとその病原性の高さを見極めた上で適切な対策を講じるものと思います。ここで心配なのが、我が国のトップが判断に暗く、行動力に欠けることです。<br />
ただ、敵が豚に代わっても、マスクの着用、外出禁止の事態に対する水、食料の備蓄などの準備は鳥由来の新型インフルエンザに対するのとまったく同様です。タミフルやリレンザが有効という点も変わりがありません。ですから鳥から豚に変わったからと言っていたずらに取り乱す必要はありません。<br />
言うまでもないことだとは思いますが付け加えておきます。インフルエンザは飛沫を介した空気感染ですから、鳥だろうが豚だろうが、その肉を食べてうつることはあり得ません。むしろ美味しくて栄養価の高い豚肉や鶏肉を食べて体力をつけておきましょう。<br />
最後に頼るのは己の体力です。
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      <![CDATA[&nbsp;<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>定額給付金の正しい使い方</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.138</id>
   
   <published>2009-04-19T16:02:13Z</published>
   <updated>2009-04-19T16:32:55Z</updated>
   
   <summary>先日私の家に定額給付金を受け取るための申請書類一式が郵送されてきました。早速、本...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[先日私の家に定額給付金を受け取るための申請書類一式が郵送されてきました。早速、本人確認のための運転免許証のコピーと振り込んでもらう口座の預金通帳のコピーを同封して返送しました。<br />
我が家は家内、息子、娘と私の4人家族で、18歳以下の者も65歳以上の者もいないので、総額48,000円が世帯主である私の指定する口座に振り込まれることになります。<br />
豊島区では区民部に臨時で定額給付金担当課を設けて、4月12日から10月13日までの間を受付期間として対応します。給付は原則として銀行振り込みですが、銀行口座を持っていない人もいるために、窓口での直接支給との二本立ての体制をとっています。住所の特定が難しい人や申請手続きを行うことが困難な人など、さまざまな事例を想定して業務に当たっているとのことです。<br />
今現在、豊島区だけでなく全国の地方自治体でこの想像を絶する煩雑な作業が始まっているわけです。よりによって、この時期は新年度を迎えて転出、転入、地方税、国民健康保険、国民年金等々の業務が目白押しの繁忙期です。そんな時に、この余計な業務を強いられている現場の地方公務員の方々は本当に猫の手も借りたい思いだろうと、同情を禁じ得ません。<br />
ところで、この定額給付金は、国会に上程される前から全国挙げて喧々囂々たる非難が巻き起こった、いわくつきの愚策です。ところが、実際に給付の段階になった今、いずれのマスコミもこのテーマを全く俎上に載せようとしません。給付の現場の状況や給付金が実際にどのように使われて、政府与党の目論見通り低所得世帯の生活支援と景気浮揚策として、本当に功を奏しているのかどうかの検証は全くなされていません。<br />
与党はともかく野党の国会議員たちも押し並べて沈黙を守っていて、うんでもすんでもありません。民主党が貝のように沈黙してしまった大きな要因は、党首である小沢一郎の公設秘書が政治資金規正法違反で逮捕、起訴されたことを契機に世論の流れに変化が起きたことがあるようようです。<br />
また、国民運動を巻き起こすと言って自民党を離党した渡邉喜美も有力支持者であった高橋洋一東洋大学教授（元財務官僚）の窃盗犯逮捕、起訴もあってか、このところはまったく音無しの構えです。さらには、この法案の衆議院における再可決投票時に欠席をして、すわ自民党分裂かと思わせた小泉元総理も今はだんまりを決め込んでいます。<br />
渡邉、小泉にしてこの体たらくですから、中川、石原、小池をはじめ、その他大勢の烏合の衆が洞ヶ峠を決め込むのも止むを得ないのかもしれませんが、それにしても、国民のため、国のためという信念で動いている政治家がこれほど見当たらないとは何とも情けない話です。国民は政治家に旗幟鮮明な政策提示を求めますが、当の政治家が一番大事にしているのは自分が選挙に当選して「先生」としての立場を守ることです。その結果、彼らの神経は、浮気この上ない世論と、その世論にもてはやされて誰が勝ち馬になるかという点だけに集中しています。現実に「風見鶏」と揶揄され続けた中曽根康弘が結果的には歴代4位の長期政権を務めるような政治風土の我が国においては致しかたないのかもしれません。<br />
<br />
さて、肝心の定額給付金の使い方ですが、皆さまはもうすでにお決めになったでしょうか。「隗より始めよ。」本当は、あれだけの反対を押し切って給付を決めた、言い出しっぺの麻生さんが「帝国ホテルの会員制バー、ゴールデンライオンのスコッチボトル代金の半分に当てました。」とでも言うべきなのですが、小沢さんのスキャンダル以来はしゃぎまくって、給付金のことなど頭からすっかり抜け落ちているみたいです。まあ、もともとあまり容量の大きくない頭みたいですから無理なことは要求しますまい。<br />
という訳で言い出しっぺでない私が率先して我が家の使い方をご報告します。家内はゴルフのスコアアップのために、オーガスタで片山晋呉が使用していたパターの購入に当てるとのことです。息子は通学のための自転車を購入。娘は何回かに分けて友人と美味しい物を食べに行くということです。それぞれスポーツ用品業界、地元商店街、飲食業にささやかな貢献ができます。<br />
私は以前のコラムにも書きましたが、当初はネオン街の振興のためにキャバクラに行こうと思ったのですが、友人から12,000円ではとても遊べないと諭されたので、大いに悩んでしまいました。何に使えばこの給付金の目的である景気浮揚に僅かながらでも貢献できるのだろうかと熟慮した結果、来るべき総選挙に地元選挙区から新人として立候補する江端貴子さんへ政治献金することにしました。<br />
江端さんは富士通社員として社会人を経験された後、フルブライト奨学生としてマサチューセッツ工科大学経営大学院に留学しＭＢＡを取得。その後マッキンゼー＆カンパニーなどで活躍されました。ところが、親御様の介護のために退社されました。この時の経験が政治の道を志すきっかけになったそうです。東京大学の特任教授を務めた後、現在は某製薬会社の社外取締役をされています。<br />
温厚で控えめなご主人（同じくアメリカでＭＢＡを取得）との間にご子息を設け、良き家庭の主婦、母親でもあります。爽やかで気取りのない人柄、まさに「才色兼備」を地で行く素晴らしい女性です。<br />
さらに私が彼女を支持するもっと大きな理由は、江端さんが政治家としてなしたいと考えている分野が教育と社会福祉だということです。社会福祉は医師である私が無関心でいられるところではありません。また江端さん同様私も常々、資源のない日本が何を差し置いても力を注がなければならないことは教育であると考えていたからです。<br />
もともと頂きたいなどと期待していなかった12,000円です。東京10区において、4年前、小泉の威を借りた刺客と称して、唐突にこの地に現れた女性風見鶏政治家に代わって、教育と福祉に心血を注いでくれる清廉高潔な政治家、また当たり前の家庭人としての常識をわきまえた政治家を選出する一助になるならば、必ずや将来における我が国の発展に結びつく、定額給付金のもっとも有効な使い道だと考えました。ただし、政権与党にとっては甚だ不本意な使われ方だと思います。麻生さん、太田さん、ごっつあんです。<br />
<br />
その日の生活に困っておらず、なおかつ未だこれといった使途を決めかねている方は、是非とも私のように、自分が信頼する政治家へ献金してみてはいかがでしょうか。我が国は企業の献金ばかりで、本来あるべき政治家への個人献金が浸透していません。こういったことも政治の腐敗を生む温床になっています。<br />
天下の愚策、定額給付金を逆手にとって、政治をもっと身近なものにする絶好のチャンスかもしれません。する絶好のチャンスかもしれません。
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      <![CDATA[&nbsp;<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>ナルコレプシー（Narcolepsy）</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.137</id>
   
   <published>2009-04-12T16:24:55Z</published>
   <updated>2009-04-12T16:30:43Z</updated>
   
   <summary>先日のコラムで睡眠障害のむずむず脚症候群を取り上げましたが、今回も同じように特殊...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[先日のコラムで睡眠障害のむずむず脚症候群を取り上げましたが、今回も同じように特殊な睡眠障害の一つであるナルコレプシー（Narcolepsy）についてお話します。<br />
この病気はきわめて奇妙な症状を示すので、小説や映画のストーリーの展開を面白くさせるために、登場人物をこの病気にかからせたものが幾つもあります。<br />
小説の分野で有名なのは作家の色川武大です。色川は彼自身が本当にこの病気に悩まされていました。ですから、自身の実体験を基にナルコレプシーが絡みの小説を数多く書いています。映画では新海誠監督の「雲の向こう、約束の場所」やガス・ヴァン・サント監督の「マイ・プライベート・アイダホ」にナルコレプシーを患ったキャラクターが登場します。この他、漫画のキャラクターにもこの病気で悩むキャラクターは数多く取り扱われています。<br />
ではエンターテナーたちが好んで取り上げるこの病気の興味深く、特徴的な症状とはどんなものなのかというと、以下に示す４つの症状です。<br />
1. 睡眠発作：昼間、リラックスしているとか緊張しているとかいった状況と無関係に突然発作的に睡眠に入ってしまいます。耐えがたい眠気に抗しきれず短時間眠ってしまうことが多いですが、「眠たいな」という前兆が明瞭ではなく、瞬間的に眠りに入ってしまうこともあります。そういう場合には、てんかんの意識消失発作に間違われることがあります。<br />
2. 睡眠麻痺：俗に言う金縛りです。いったん寝入ってしばらくしてＲＥＭ睡眠に移行する際、正常なＲＥＭ睡眠に入れないで意識だけが覚醒してしまいます。それなのに身体の筋肉の方は依然としてＲＥＭ睡眠の状態のままでピクとも動けない状態です。目の周りの筋だけは動かせますから、頭は冴えてメモきょろきょろできるのに四肢を動かせない、本人にとってはとても怖い状態になります。<br />
3. 眠時幻覚：寝入りばなや起きかけの時、すなわち睡眠状態と覚醒状態との移行期に、明瞭で、非常に現実的な幻聴や幻視が起きます。ついさっきまで生活していた状況から乖離しない現実的な幻覚です。例えば、実際に隣で寝ている配偶者が自分の名前を呼ぶといった幻聴です。また、昼間に起きる睡眠発作の際にも見られますから、幻覚と現実の区別が困難なことが多いようです。<br />
4. 情動脱力発作（カタプレキシー）：怒り、笑い、悲しみなどの強い感情が湧きあがった際にレム睡眠の時のように骨格筋の脱力が起こります。情動のうち、喜び、愛、幸福感といった陽性の感情の方がこの発作を引き起こしやすいようです。このために笑った途端にへなへなと倒れ込んでしまったり、へなへなと崩れ落ちてしまったり、呂律が回らなくなったりします。この間患者さんの意識はしっかりしていて、起きたことをすべて覚えています。すぐに回復し、長くても数分以内に収まる場合がほとんどですが、「あっ、いけない、早くしっかりしなければ」と焦って緊張するとかえって発作を繰り返しやすくなります。<br />
以上が４大症状と呼ばれる特異的な症状ですが、この他、次ぎの２つの症状もよく見られます。しかし、この症状はナルコレプシーだけに見られるわけではありませんから診断の決め手にならないことは覚えておいてください。<br />
5. 自動症：眠った感覚がないにもかかわらず、直前に行った行為の記憶が無くなっている状態です。言い換えると無意識に眠ってしまって、眠っているのに行動を続けている状態と言えます。昼間の睡眠発作と一緒に起こると、それまでしていた単純な行動を継続します。例えば歩き続けるとか、食べ続けるとかです。周囲から見れば眠っているとは見られませんが、本人はある一定時間の記憶が抜け落ちています。また、基本的に眠っているので単純なことはできますが複雑なことはできませんし、ミスをします。したがって、会社の上司や同僚から不真面目、あるいは注意不足で失敗が多い奴という誤ったレッテルを張られていることがあります。この症状自体はてんかんの一種でも見られます。<br />
6. 中途覚醒や熟眠困難型の不眠：夜間ＲＥＭ睡眠の時期になるたびに頻回に覚醒し、その際に睡眠麻痺が、また、その前後に幻覚が起きるために一晩ぐっすりと眠ることができません。ただし。この手の睡眠障害は統合失調症やうつ病といった精神障害の際の症状としてもポピュラーです。ですから、これだけでナルコレプシーの診断を付けることはできません。<br />
<br />
さすが小説、漫画、映画で取り上げられるだけのことはある興味深い病気で<br />
すが、実際に周囲を見回してみるとそう滅多にはお目にかからない病気なのではないでしょうか。<br />
我が国に実際どのくらいのナルコレプシーの患者さんがいるのかについての確定的な数字はまだ出されていません。推測では0.16～0.18％の有病率といわれています。つまり、1,000人に2人以下ということになります。<br />
それほど患者さんが多くなく、しかも命にかかわることは滅多にないので、一般の人に名前が知られている割に医療現場ではそれほど話題にならない病気でした。<br />
ところが一昨年のリタリン（塩酸メチルフェニデート）の騒ぎでリタリンとともに一気に開業医の間においても話題になりました。なぜならば、リタリンを求めるナルコレプシーの患者さんが医療現場を放浪し始めたからです。<br />
一部医療機関による無軌道な処方によってリタリンの濫用、依存が社会問題となって、結局はリタリンの保険適用がこのナルコレプシーの治療だけに限定されてしまいました。国と製薬会社がリタリンの処方を免許制にして、処方できる医師を制限して管理下に置くことになりました。それなのに、国も製薬会社もどの医師がその免許を持っていて、どの薬局に置いてあるのかを一切公表しません。これは実質的には管理ではなくて一方的な統制です。それまでリタリンの治療を受けていた患者さんでも、主治医がリタリン取扱の許可を受けなかった場合、そこではもうリタリンを処方してもらえなくなりました。新しい主治医を見つけようとしても、どこに行けばよいのか分からずに途方に暮れた患者さんが手当たり次第に医療機関を訪ねたのでした。<br />
一部の心ない医療機関と薬物依存者たち、そして無責任な国、製薬会社のお陰で、本当にリタリンを必要としている人達がとんだとばっちりを受ける結果になりました。今はやっとこの混乱状態から脱して、それぞれ新しい主治医を見つけられたようです。<br />
この病気の確定診断のためには夜の睡眠状態と昼間の眠気を自己評価する睡眠表を自己チェックして、終夜睡眠ポリグラフ検査、睡眠潜時反復検査を行います。<br />
しかし、すべての症状や検査結果が陽性所見を示さない場合、つまり典型的なナルコレプシーではないがナルコレプシーの類縁疾患と思われるケースも多数あります。こういう方はやはりナルコレプシーに準じた治療が有効ですが、前にお話ししたように治療薬の取り締まりが厳しいためになかなか適切な治療を受けられない状況です。<br />
原因はいまだ不明ですが、オレキシンという物質がこの病気に関連しているという説が注目されて研究が進められていますが、未だ確定的ではありません。<br />
さて、問題の治療薬ですがリタリンが特効薬ですが、この他に最近モダフィニル（モディオダール）が発売になりました。さらに昔からペモリン（ベタナミン）という薬が適応になっていますが、これは肝臓に対する毒性が強い割に作用が弱すぎてあまり実用的ではありません。<br />
以上の3つの薬は昼間の睡眠発作やカタプレキシーに有効ですが、睡眠中の睡眠麻痺、途中覚醒、熟眠困難などに対しては抗うつ薬が有効です。<br />
<br />
リタリンが社会問題となって、リタリンは依存性が強くて覚せい剤と似ていて怖い薬という社会通念ができてしまいました。このために、これまで少量のリタリンで円滑な社会生活を行うことができていたナルコレプシーの患者さんの中にも、「知らないで怖い薬を飲まされていた」と怯える人が出てきました。<br />
しかし、心配することはありません。どうしたものか、必要もないのにリタリンを濫用している人は短期間で耐性、依存性が形成されますが、本来リタリンが有効な患者さんは耐性も依存性もつきにくいのです。大変不思議なことです。
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      <![CDATA[&nbsp;<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>金一派と強欲資本家とは同じ穴の狢</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.136</id>
   
   <published>2009-04-05T16:05:20Z</published>
   <updated>2009-04-05T16:09:54Z</updated>
   
   <summary>4月5日午前11時半頃、世界中が注目していた北朝鮮のロケット発射実験が行われまし...</summary>
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   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[4月5日午前11時半頃、世界中が注目していた北朝鮮のロケット発射実験が行われました。心配されていた誤射や残骸等落下物による我が国の被害もなく飛翔体は太平洋上へと飛び去っていきました。北朝鮮にとっては勿論のこと、我が国にとっても御同慶の至りと言えましょう。<br />
先日のコラムにも書きましたが、今回のロケット発射実験は先端部分が弾頭なのか人工衛星なのかという点が大問題となっていました。日本をはじめ世界の多くはアメリカ本土を射程に入れたミサイルの発射実験だと推測していましたが、北朝鮮は頑なに人工衛星であるとの主張を押し通してきました。<br />
打ち上げ直前になって、アメリカの軍事衛星の撮影した写真の解析から、アメリカの軍事情報機関が、ロケットの先端部分の形状から見て、今回の打ち上げが本当に人工衛星である可能性を示唆しました。<br />
しかし、長らく四海困窮が続いて、路上に行き倒れを目にすることが日常茶飯事の国が、本当に人工衛星を打ち上げるとは俄かには信じられません。もし北の為政者たちが僅かでもまともな神経を保っているならば、玩具みたいな人工衛星を飛ばす資金で餓死者の数を幾分かでも減らす努力をすると思うからです。<br />
よしんば先端部分に人工衛星が搭載されていたとしても技術レベルが低いために正常に発射できない可能性があります。その場合には軌道の直下に当たる我が国へ落下してくる可能性があります。さらに、北朝鮮のロケット燃料はきわめて毒性の高いヒドラジンという液体を使っていますから、その際には落下による人体への被害が広範囲に及ぶ可能性が懸念されていました。<br />
と言う訳で、頭上を危険一杯の飛翔体で脅かされる我が国にとっては傍観してはいられない有事の出来事となったのです。また、ロケットが弾道ミサイルであれば、国境を接して軍事的緊張状態の続く韓国にとっても、また本土がミサイル射程内となるアメリカにとっても由々しき問題であります。このために、三国は共同して発射を思いとどまるように外交努力をするとともに、危険と判断した場合にはロケットあるいはその一部を破壊すべく、ミサイル防衛システムを使った迎撃態勢を敷きました。<br />
中でも日本は国民から総すかんを食っている麻生政権が、この外患を支持率回復のための起死回生のイベントにしようと考えたようです。勇ましく迎撃を宣言し、迎撃ミサイル隊の移動場面や配備場面をこれ見よがしにマスコミに流しました。<br />
でも、麻生さん一流の大見栄を切っては見せましたが、本当に我が国に落下物が飛来したらどうしたものかと、内心は薄氷を踏む思いであったに違いありません。<br />
なぜならば先日のコラムでも書きましたように、打ち上げ直後にはその飛翔体が人工衛星なのかミサイルかの判別が極めて難しいからです。飛翔物体がミサイルであることの確証を示せないままに撃ち落としてしまっては、いくら相手が名うてのごろつきであったとしても、一方的な敵対行為との誹りを免れません。実際に北朝鮮は、もし迎撃すれば宣戦布告と見なすという旨を表明しました。ですから、日米は飛翔体がミサイルであり自国に危険であるという確かな証拠を示さないと、より悲惨な戦争に突入する恐れがありました。そこで、飛翔体がミサイルだとしても、発射を失敗して本体もしくはその一部が日本国内に落下する場合にのみ撃破するという方針にトーンダウンしました。<br />
しかし、ミサイル迎撃システムは正しい軌道で攻撃してくる飛翔体を迎撃することは可能ですが、ふらふらと迷走する欠陥ロケットや破片を撃ち落とすことは技術的に極めて困難です。<br />
そんな訳で、麻生さんが最も望んでいたシナリオは、発射を中止すること。もし直前で発射中止となれば、自分の威勢の良さと日米のミサイル防衛システムが発射を抑止したと宣伝できるからです。<br />
次善のシナリオは正常に発射されて無事に日本領空を飛び去ってくれること。最悪のシナリオはロケット本体あるいはその一部がふらふらと落下してくることでした。そうなれば、それを迎撃ミサイルで撃ち落とすという、かなり確度の低い作戦を成功させて見せなければならなくなったからです。だから、今回の発射が曲がりなりに成功したことを金正日の次に喜んでいるのは麻生さんかもしれません。<br />
でも実際には日本は今回の騒動で相当にマイナス評価を喰らいました。ミサイル迎撃能力以前の危機管理体制の不備が露呈してしまったからです。前日に政府はミサイル発射の誤報を流してしまいました。しかも１度ならず、２度に渡ってです。これでは北朝鮮のミサイルの精度がどうのこうのと批判しているわけには参りますまい。<br />
<br />
他人に金品を無心することを「ゆすり、たかり」と言いますが、「たかり」は単なるおねだりですが、「ゆすり」はれっきとした犯罪です。北朝鮮はこれまでも国家ぐるみで「ゆすり」を続けてきました。「国が貧しくて国民が飢え死にする。このままでは多くの難民が貴方達の国へ流入するか、さもなくば一か八か、戦争に打って出るしかない。」とのゆすり文句で多額の援助を受けながら、それを国民には与えず私腹を肥やす一方、さらなる「ゆすり」の材料としての武器生産に当てる。これが金正日一派の「盗人に追い銭」を地で行く山賊商売の常套手段でした。<br />
ロケット打ち上げを成功裏に収めた北朝鮮がさらに強硬な「ゆすり」に出てくることは火を見るより明らかです。これからは「金や重油をよこさなければ核爆弾を積んだミサイルをお前の国に落とすぞ。」と言ってくるのです。<br />
なんとも理不尽な話ですが、同じような手口を別な場面でも観ました。それは北朝鮮を「ならず者国家」と非難したアメリカにおける出来事です。<br />
<br />
アメリカではメリルリンチやＡＩＧなどの米国金融資本家がマルチ商法まがいの金融商品で帳簿上の利益を創って見せて、現実の金の形で高額の報酬を掠め取ってきました。この詐欺商法が破綻するや、慇懃無礼に「ちょっとした手違いがあったためにご迷惑をおかけしますが、私達を潰すと国民の被害がもっと大きくなりますよ。」と脅迫して、国民の税金をまんまとせしめました。まっとうな人であるならば、これまでのやり方を悔い改めて金融再建に専心する筈です。ところが彼等は民から目仕上げた金を自分たちの報酬に充てた上に恥じることがありません。これでは言葉遣いが丁寧なだけで、北の金一派の行為と大同小異です。アメリカはこれまで北朝鮮政権を「ならず者国家」と声高に非難してきましたが、自分たちも同じ穴の狢であることを露呈してしまいました。<br />
<br />
今世界に垂れ込めている暗雲の源を辿ると、飽くなき物欲に捕われた一部権力者たちの道徳の欠如あるいは恥知らずに行き着くように思えます。<br />
地球が無限の広さをもっていると信じられていた大昔ならばいざ知らず、数10分でミサイルを応酬し合える程度の小さな惑星であることが分かっています。これからの時代、世界中の人々に「知足安分」の訓えを啓蒙し、それに背く行為を「恥」と感じる感性を育成することが急務ではないでしょうか。
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      <![CDATA[&nbsp;<span style="color: #333333"><strong><br />
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   <title>桜に育まれる日本人の感性</title>
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   <id>tag:www.clinic-nishikawa.com,2009://1.135</id>
   
   <published>2009-03-29T23:03:21Z</published>
   <updated>2009-03-29T23:05:50Z</updated>
   
   <summary>東京の桜もそろそろ満開となります。未曽有の不景気で夜の盛り場は閑古鳥が鳴いていま...</summary>
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         <category term="9752009年3月" scheme="http://www.sixapart.com/ns/types#category" />
   
   
   <content type="html" xml:lang="ja" xml:base="http://www.clinic-nishikawa.com/">
      <![CDATA[東京の桜もそろそろ満開となります。未曽有の不景気で夜の盛り場は閑古鳥が鳴いていますが、さすがにこの1週間は上野公園、千鳥が淵をはじめ桜の名所はどこも大勢の人で賑わうことと思います。<br />
当
クリニックの界隈では飛鳥山公園の桜が有名です。ただ、そこまで足を延ばさなくても小石川植物園近くの播磨坂の桜並木という素敵な観桜スポットがありま
す。もっと身近を探すと、当クリニックの斜め前の道路の両脇に、200ｍほど桜の木が並んでおり、地元商店街がこの時期桜祭りと銘打ったイベントを開催し
ます。この桜並木は片側1車線の道路に覆いかぶさるように花を開くので、それなりに圧巻なのですが、いかんせん小さな道路なので筵を敷いて酒盛りする場所
がありません。それでも、しばし立ち止まって花を見いる人が少なくありません。<br />
ゴルフの世界でも、この時期はきれいな桜を配したコースを持つゴル
フ場が大人気で、そういう所はあっという間に予約が埋まってしまいます。普段花などにそれほど関心のない親父ゴルファーたちでさえ、何とはなしに心がうき
うきしてくるのは、まんざら花見にかこつけた宴会のためだけではないようです。<br />
日本人がいかに桜を愛するかということは、俳句の季語や諺にも表れ
ています。季語においても諺においても、ことさら名前を冠せずに「花」と言った場合には、言わずもがな、桜の花のことを指します。「花七日」、「花冷
え」、「花より団子」などです。まさに桜は日本を代表する花と言えます。また、外国人の間にも「桜」＝「日本」というイメージができあがっています。<br />
ところが、桜は国が正式に定めた「国花」ではありません。イングランドがバラ、アメリカがセイヨウオダマキ、中国が牡丹と梅などを正式に国の花として指定しているのに、我が国は国花を正式に認めていないのです。<br />
時
と場所に応じて、天皇家の象徴である菊を使う必要があるための高度な政治的な判断なのだと思います。桜を国花に指定すると、長きにわたって我が国で培われ
てきた天皇制を否定することになるし、さりとて菊を正式に採用しようとすれば、戦後の民主主義国家を否定して戦前に逆戻りする動きではないかと、蜂の巣を
突いたような大騒ぎになるでしょう。花一つとっても、日本は曖昧にしておかなければいけない、微妙なバランスの上に立った国なのかもしれません。<br />
さて、国家はともかく、私たち国民にとって桜が日本という国、日本の文化を象徴する花であることに異論はないと思います。「日本人にとって桜とは」、「日本人はなぜ桜に惹かれるのか」というテーマについては、これまでに錚々たる文化人たちが論じ尽くしています。<br />
共
通した見解は「花は桜木、人は武士」という言葉で表わされるように、ぱっと華やかに咲き誇るが、いつまでも咲き続けることなく、惜しまれるうちに散ってい
く、その咲き方が、生や俗物に連綿と執着せず、いつでも潔く死んでいく覚悟のできている武士道の精神と合致しているからだと思います。<br />
桜の花を観賞することによって、美しさ、生きている喜びを味わう一方、諸行無常、万物はすべて移ろうという、物の哀れを感じます。こうして日本人特有の感性が育まれるのではないでしょうか。<br />
ぱっ
と咲きぱっと散る桜はただ暖かくなるだけでは開花しません。桜の花芽は前の年の夏ごろにできあがって、いったん休眠に入ります。休眠に入った花芽は冬の寒
さを経験して初めて目覚め、この後に暖かくなると花開くのです。冬の寒さが十分でないと花芽の目覚めが悪いために、暖かくなってもなかなか開花しません。
厳冬を凌いで華やかな花を開く。こういった点も日本人の感性をくすぐるところかもしれません。<br />
ところで、小泉元総理の人気が衰えない理由の一つ
に、続投を望まれながら政権の座を辞した潔さがあります。私は彼が総理の座に居座らなかったのは、あれ以上総理を続けていれば、自分のなしてきた政策がい
かにひどいごまかしであったかがばれてしまうからにすぎないと思っていますが、大方の日本人には彼の行動に桜の美を感じたようです。<br />
それに引き替え、麻生さんはまだ半年くらいしか総理の座にいないにもかかわらず、見苦しく政権の座にしがみ付いている寄生木のように見られていて、ちょっとかわいそうな気もします。<br />
<br />
昔、北海道を本拠地とするビール会社の広告に「ミュンヘン、札幌、ミルウォーキー」というキャッチコピーが使われて流行りました。札幌が、ビールが美味しいと言われるミュンヘンやミルウォーキーと同緯度であることを唱っているのです。<br />
子供だった私は早速地球儀を調べた覚えがあります。確かに三市は北緯四五度付近に位置していることを知りました。この他、ミラノやマルセイユもほぼ同緯度だということが分かりました。何度見直しても間違いありません。<br />
し
かし感覚的には今でもどことなく受け入れられないのです。それは、札幌は寒い北の国。ミュンヘンやミラノは暖かい南欧という先入観から抜け出せないからで
す。因みに、私が学生時代に訪れたアテネは福島とほぼ同緯度にあります。アテネと言えば白い石造りの建物にエーゲ海のブルーが反射する、温暖な土地を想像
します。高校生の夏休みに避暑して勉強するために檜原湖近くの農村の学生村を利用したり、奥只見のスキー場で春スキーを楽しんだ経験のある私には、アテ
ネ＝福島と言われてもピンと来ないのです。<br />
この違和感は、私が世界の中でかなり特殊な地理条件にある日本という国に生まれ育ったことに因るのです。<br />
現在の人類の文明圏は地球の相当北に偏在していて、日本は文明国家の中では最南端に位置しています。さらに日本は周囲を海で囲まれるとともに富士をはじめ多くの山々をも有し、砂漠化せず豊かな緑を有しています。極めて環境に恵まれた稀有な文明国家なのです。<br />
このような地理条件のお陰で、内に足を踏み入れれば深山幽谷の景を楽しむことができるし、海に臨めば白砂青松の美に酔いしれることもできます。<br />
さ
らに、この緯度は春夏秋冬の四季を生みだし、同じ場所にいても一年の間に自然が千変万化して、四季折々に豊かな美しさと雪月風花という自然の移ろいを味わ
うことができます。日本に生まれて住みついていると、当たり前のことと見過ごされがちですが、同じような自然に恵まれているのは南半球のニュージーランド
くらいのものと聞きます。<br />
ヨーロッパではそれほど北の国ではなくても一年の大半は寒く、冬になると太陽の光は一日5,6時間しか拝めません。一方、常夏の東南アジアでは一年中花が咲いていて、哀れな風情など味わうことができません。日本に生まれたことはかなり幸運と言えるのではないでしょうか。<br />
桜の美しさも四季がはっきりとした土地だからこそ味わえるのです。そして、その桜の咲き方を通して、優美で繊細でしみじみとした物の哀れを感じとることのできる感性が育まれるのです。<br />
<br />
年に一回、桜の花を眺めることによって節度ある生き方を見失わないようにしましょう。
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      <![CDATA[&nbsp;<span style="color: #333333"><strong><br />
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